岡山大学文明動態学研究所(RIDC)は、10月9日(水)に第38回RIDCマンスリー研究セミナーをオンラインで開催します。このセミナーでは、「農業委員会への女性の参画のあり方」と題し、摂南大学の藤井和佐教授による報告が行われます。
本報告は、女性の農業委員の割合が現在13.9%にとどまる現状を背景にしています。2020年12月に閣議決定された「第5次男女共同参画基本計画」においては、2025年度までに女性の農業委員の割合を20%から30%に引き上げる目標が掲げられていますが、現状は目標に遠く及びません。これは、農業協同組合役員や土地改良区理事においては女性枠や員外理事制度が拡充される中、農業委員の場合は枠組みが2015年の農業委員会法改正以降変わったため、女性の登用が難しい背景があります。
今回のセミナーでは、2019から2021年にかけて実施された北海道、岡山、高知、長野の4道県での質問紙調査結果をもとに、女性が地域でどのように農業委員として活動しているのか、また、彼女たちが直面している「地域の壁」を乗り越える方法や、地域におけるジェンダー平等が進まない要因について考察されます。
このセミナーには、興味のある方ならどなたでも無料で参加することができます。参加希望者は、2024年10月8日(火)までにオンラインフォームからお申し込みください。申し込み後、参加用のZoomリンクが送信されます。
岡山大学の文明動態学研究所は、地域中核・特色ある研究大学として、学際的なアプローチから人文・社会科学分野の研究を進めています。RIDCマンスリー研究セミナーは、研究者同士の意見交換や地域の課題についての理解を深めるための場として、一般公開もされることがあります。
岡山大学は、これからも持続可能な社会の実現に向けた研究・教育を推進し、地域とともに成長していく姿勢を持ち続けることが期待されます。セミナーへの参加を通じて、地域の性別の不平等に関する問題を考える良い機会になることは間違いありません。ぜひ、多くの方のご参加をお待ちしております。