国内初!マイクロX線CT顕微鏡“ApexXCT-150”の導入
株式会社日産アークが、キヤノンマーケティングジャパン株式会社から製造元Sigray(シグレイ)のマイクロX線CT顕微鏡“ApexXCT-150”を国内で初めて導入したことが発表されました。この新型顕微鏡は、大型サンプルでも高解像度かつ迅速に非破壊観察が可能であり、特に全固体電池や次世代半導体の分析において注目されている技術です。
非破壊観察のニーズの高まり
近年、電気自動車用の全固体電池と次世代半導体の需要が増加しています。それに伴い、故障解析や研究開発において非破壊的な分析が求められるようになってきました。特に、全固体電池の内部に存在する微細な亀裂や、半導体基板の欠陥の観察においては、従来のCT装置では十分な解像度が得られず、大型サンプルの測定が困難でした。これが日産アークの課題であり、新規CT装置の導入に向けた検討が続けられていました。
“ApexXCT-150”導入の背景
日産アークは、サンプルサイズが大きくてもサブミクロンの空間分解能で観察可能な“ApexXCT-150”の導入を決定しました。従来のCT装置では、0.5μmの分解能を得るためには1mmのサンプルサイズが必要でしたが、この新型顕微鏡は最大300mmφのサンプルでも同様の分解能を提供します。この特性によって、全固体電池や半導体基板を非破壊で高精細に観察できるようになるのです。
日産アークからのコメント
日産アークの代表取締役社長、浅見孝雄氏は次のように述べています。「我々は新しいX線CT装置の導入を計画しており、その際に解像度やアスペクト比の高いサンプルへの対応が重要であると認識していました。これまでの実績を踏まえ、ユーザーのニーズに応えるために高解像度かつ大きなサンプルを非破壊で観察できる“ApexXCT-150”を選んだのです。」
測定結果の実績
実際に“ApexXCT-150”による測定事例として、全固体電池と半導体基板の観察結果が報告されています。全固体電池セル(45mm×80mm)の場合、従来の直交型ハイエンドCT装置と比較しても、各層の明瞭な識別が可能になりました。さらに、3次元可視化画像解析によって、内部の詳細を定量化することも叶っています。
半導体においても、100mm×240mmの基盤のクラックが明瞭に可視化され、測定時間も従来の約15倍短縮される結果となりました。これにより、いままでの解析手法に革命をもたらすとともに、顧客の開発を強力にサポートする技術として注目されることでしょう。
日産アークの企業情報
日産アークは、神奈川県横須賀市に本社を構え、材料に関する研究、解析及び教育を行っています。1990年に設立されたこの企業は、今後も高度な分析技術を駆使して、さまざまなニーズに応えていく棟に力を入れていくことでしょう。
この新型マイクロX線CT顕微鏡“ApexXCT-150”の導入は、日産アークが非破壊観察の分野において新たな一歩を踏み出したことを示しています。今後の展開に期待が高まります。
日産アーク公式サイト