スペースシードホールディングスがマレーシアのフォーラムで健康課題に挑む
2024年11月19日、スペースシードホールディングス株式会社は、子会社であるリジェネソーム株式会社を代表し、マレーシアのサンウェイ大学で開催された『Innovate for Longevity: Health and Wellness Challenge』に参加しました。このフォーラムは、ASEAN地域が抱える健康や福祉の課題に対する解決策を最先端技術を通じて提供することを目的としたイベントです。
Dr. Kengoのプレゼンテーション
リジェネソームのCEO、Dr. Kengo(鈴木健吾博士)は、プレゼンテーションの中で平均寿命と健康寿命の格差を埋めることの重要性を提唱しました。医療が進展する一方で、加齢に伴う疾病が高齢者の生活の質を低下させるという課題に取り組む必要があります。彼は、日本のイノベーションを活用し、ASEAN地域における研究・開発・ヘルスケアサービスの統合的な解決策を示しました。
また、Dr. Kengoはリジェネソームのエクソソームを用いた治療法のビジョンについても言及しました。このエクソソーム療法はロンジェビティ科学の最先端であり、今後の治療法として高い期待が寄せられています。さらに、彼は開発中の「高度なエクソソームソーター」という技術概念を紹介し、治療用エクソソームの品質向上やパーソナライズ化が可能になると強調しました。
加えて、津南醸造との共同開発によるα-EGを多く含む酒や、日本酒製造過程で生じるナノ粒子のSAKESOME、微細藻類から得られるフコキサンチンやバタフライピーなど、新しい素材の応用についても述べました。これらの事業は分子生物学や発酵技術を駆使しながら持続可能な形で展開されることが期待されています。また、スペースシードホールディングスが始動した「発酵とロンジェビティ基金」についても触れ、この基金は18か月以内に実証可能なスタートアップを支援することを目的としています。
その他の登壇者とフォーラムの価値
フォーラムでの発表には、Sustainable Food AsiaのBoon Lee Chiam氏が登壇し、マレーシアにおける非感染性疾患の現状を詳しく解説しました。彼は、マレーシアの成人の5人に1人が糖尿病を抱え、その若年層の多くが自らの健康状態を理解していないという事実を指摘しました。この課題を解決するための持続可能な食生活や教育の重要性について強調しました。
また、日本システム技術株式会社の塩塚正勝氏は、同社が提供するヘルスケア関連のソリューションを紹介し、ASEAN地域での事業拡大についての展望を示しました。さらに、サンウェイ大学のGoh Bey Hing教授は、機能性食品の研究を行っており、その可能性を語りました。
このフォーラムで行われた質疑応答やアイデアの共有は、貴重な情報の交換の場となり、参加者たちにとって新たな視点を提供しました。
コンペティションと今後の展望
「Innovate for Longevity: Health and Wellness Challenge」という学生向けのコンペティションも開催され、若きイノベーターたちに長寿と生活の質を向上させるための革新を促しました。このイベントは、国境を越えたアプローチを通じてASEAN地域のヘルスケア課題に立ち向かう重要な手段としての意義を持っていました。
今後もスペースシードホールディングスは、リジェネソームを含む各プロジェクトを通じ、ロンジェビティと持続可能なウェルビーイングの向上を目指した革新的な科学に基づく解決策を社会に提供していく意向を示しています。
会社の背景
リジェネソームはナノ粒子を利用した医療の新たなソリューションの提供を目指し、老化抑制や再生医療を通じて持続可能な未来に寄与することを目標としています。スペースシードホールディングスは、宇宙系ディープテックのベンチャービルダーとして、社会課題の解決に向けた取り組みも進めています。