AI導入86%の実態
2024-05-16 15:45:52

経営層86%が収益向上にAIを導入、TCS調査結果を分析

経営層86%がAI導入、収益拡大目指す



2024年5月15日、ムンバイにて発表されたタタコンサルタンシーサービシズ(TCS)の最新調査によると、経営層の86%が収益の向上を目的として人工知能(AI)を導入していることが分かりました。この調査「TCS AI for Business Global Study」では、AIの導入が企業の生産性や工夫力を強化し、収益性を高める大きな手段とされていることが浮き彫りになりました。

調査によると、回答者の69%が主要な目的として生産性向上よりもAI活用によるイノベーションを重視しているとしています。経営層はAIがもたらす影響について概ね好意的であり、57%がAIのビジネスへの影響に期待感を抱いていることも明らかとなりました。さらには、3年後には従業員の半数が生成AIを利用して勤務する必要があると予測する声もあり、多くの企業が急速にAIの導入に進む構えを見せています。

AIの進展と期待感



多くの経営者がAIの活用によって、創造性や戦略的思考など、より高度な業務に集中できるとの考えを持っています。65%の経営者がAIは人間の能力を強化し、より価値の高い活動に人を向かわせてくれると回答しています。この見解は、AI技術がより多くの企業に浸透してきている証でもあります。

TCSのCTO、ハリック・ヴィン氏は「2023年は企業がAIユースケースを試行錯誤する年になった。今、企業はAIの広範な導入に踏み出す段階に入っている。しかし、大規模なAIソリューションの展開には、人的役割や働き方の変革に必要な準備が不十分な企業も多い」と述べています。

一方で、ビジネス変革の手段としてAIを利用している企業はわずか4%に過ぎず、およそ24%が未だ初期段階にあることが浮き彫りになりました。既存のITインフラや顧客期待が、新たな取り組みの障壁となっている状況です。企業はAI導入の成果をきちんと評価するための指標を見直す必要があると感じており、72%が適切な指標を持たないと回答しています。

ビジネス戦略の見直しと新たな挑戦



TCSのAI.Cloudユニットヘッドであるシヴァ・ガネサン氏は「生成AIを責任を持って活用することで、データとAIの処理能力が最大限に引き出され、市場のパラダイムも変わる可能性がある」と語っています。この発言は、AIが持つ可能性の大きさを示しており、企業がAIを通じて新しい価値を創造する重要性を強調しています。

調査には12業界、24カ国の約1,300人の経営陣が参加。彼らの多くがAIによる変革を必要であると感じており、AI技術の影響がインターネットやスマートフォン以上になると見ていることが伺えます。

また、経営層の65%が競争優位性は人間に由来するとし、AIは人間の能力を補完する役割を果たすとの認識を示しています。今後、AIを最大限に活用するには事業モデルや運用モデルの見直しが不可欠と、多くの経営者が認識しており、55%がその方向性を持つと回答しています。

最後に、81%の経営者がAIに関する明確な基準や規制の必要性を訴えています。特にUKやアイルランドの経営層の93%が収益拡大を目指すAIプロジェクトを進めており、北米、アジア太平洋地域の企業も同様に高い関心を示しています。

これらの調査結果は、AIがビジネスにおいて重要な役割を果たしつつあることを示しており、企業はこの動向を踏まえた戦略策定を急ぐ必要があります。

会社情報

会社名
日本タタ・コンサルタンシー・サービシズ株式会社
住所
東京都港区麻布台一丁目3番1号麻布台ヒルズ森JPタワー10階
電話番号
03-6161-6500

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