給与デジタル払いの普及に向けた意識調査の結果あらわに
株式会社エーピーシーズが提供する給与前払い『速払いサービス』の登録者を対象に、デジタル給与に関する意識調査が行われ、その結果が発表されました。この調査は、給与デジタル払い制度の認知度、利用意向、そしてその理由に焦点をあてています。
調査の背景
最近、厚生労働省は「資金移動業者の口座への賃金支払」を解禁しました。これを受け、エーピーシーズは『速払いサービス』に「PayPay給与受取」のオプションを追加し、給与デジタル払いへの対応を始めています。これにより企業がこの新しい支払い方法を導入する際、制度の理解度や利用意向がカギとなります。
調査概要
この調査は、2024年11月11日から11月22日の期間に実施され、3,834名の『速払いサービス』登録者を対象としています。また、オンラインで実施され、情報が集められました。
認知度と利用意向
調査結果によると、給与デジタル払いへの認知度は低く、約30.1%の人が制度内容を詳しく理解しているという結果が出ました。つまり、約70%の人は詳細について知らない状況にあります。
利用意向について年代別で見ると、10代から20代の若い世代では約半数が「利用したい」と回答しましたが、30代以上になると「利用しない」という回答が目立ちました。また、業種別に見ると、飲食業界の従事者が他の業種と比べて利用意向が高いことがわかりました。
デジタル払い利用の理由
デジタル給与払いを利用したい理由については、「利便性」を求める声が53.5%に達しました。具体的には、電子マネーへのチャージの手間を省き、銀行やATMからの引き出し手数料がかからない点などが評価されています。
受け取りたい形態
『速払いサービス』登録者の約80%以上が給与前払いとしてのデジタル払いを希望する一方で、通常給与に関しても44.6%がデジタルマネーで受け取りたいとのことです。
利用しない理由
「給与デジタル払い」を利用しない理由としては、現金を好む方が48.2%、さらに制度への不安を抱える方が8.4%でした。また、30.6%の人が制度の理解が不十分であるために利用をためらっているようです。
利用シチュエーション
調査では、「日常の買い物」や「緊急の支払い」といった幅広いシチュエーションが想定されましたが、37.5%は「利用シチュエーションが思い浮かばない」と回答し、「絶対に利用しない」との意向が顕著でした。これがデジタル給与の普及における課題であることが浮き彫りになりました。
就業先選択に与える影響
「給与デジタル払い」が就業先選択に与える影響については、約72.1%の人が「関係ない」と回答しましたが、特に10代はこの制度に対してポジティブな影響を感じる傾向がありました。
まとめ
この調査から、給与デジタル払い制度の普及には、まず認知度を高める取り組みが必要であることが分かります。将来的にデジタル給与をより多くの人が利用できる環境を整えるために、企業や関連団体は利用促進を図る方法を考える必要があります。また、今後もこのような調査を通じて、制度の改善点を明らかにしていくことが求められるでしょう。