筑波大学附属病院での陽子線治療システム運用開始
筑波大学附属病院では、2023年9月29日に新たな陽子線治療システムの運用が始まりました。この治療システムは、株式会社日立ハイテクや戸田建設、ビケンテクノ、三菱HCキャピタルの4社が共同で整備したもので、最新技術を搭載しています。
本事業は、日本初の陽子線治療施設の更新となり、スポットスキャニング照射技術を取り入れた加速器と回転ガントリを備えた治療室が2室設置されています。また、PFI方式により、施設の設計から建設、運営、管理に至るまでの包括的な支援が行われます。
限られた敷地での革新
この陽子線治療センターでは、限られた土地を有効活用しながら、現在も診療を続けつつ新たな治療機器の整備を進めることができました。その結果、診療の妨げになることなく、スムーズに新施設へ移行できるよう配慮されています。
国内初、安定した運営体制
また、従来の資金調達方法へとらわれず、革新的なファイナンススキームを採用することで、迅速な意思決定と効率的な運営が可能となっています。これにより、筑波大学附属病院のがん治療の革新をサポートする体制が整っています。
陽子線治療の歴史と展望
筑波大学は1983年から世界に先駆けて陽子線加速器を用いたがん治療を行っており、2001年には日立製作所の治療システムを導入して以来、約8450名の患者に治療を提供してきました。今後も、筑波大学は今までの経験を活かし、更なる治療の発展を目指します。
4社の強力なパートナーシップ
本事業には、日立ハイテク、戸田建設、ビケンテクノ、三菱HCキャピタルの4社が参加し、各社の専門知識を結集したコンソーシアムが形成されています。これにより、陽子線治療における先進的な技術と運営ノウハウが実現され、お互いに補完しあいながら、より効果的な治療サービスを提供することが可能です。
- - 日立ハイテク: 陽子線治療装置の運転・保守管理を担当。
- - 戸田建設: 新陽子線棟の整備と既存棟の改修を実施。
- - ビケンテクノ: 新施設の維持管理を担う。
- - 三菱HCキャピタル: 全体の管理調整を担当し、ファイナンシャルアドバイザリーを提供。
未来を見据えた取り組み
筑波大学附属病院での新しい陽子線治療が始まったことは、今後のがん治療の進展に大きな希望を与えるものです。病院は4社と共に20年以上にわたり運営支援を行っていく計画で、未来の医療をリードする一翼を担うことが期待されています。この新しい治療システムが、多くのがん患者にとって新たな希望となることでしょう。