熟成技術の革新
2020-11-16 13:00:05

熟成食材の進化を促進する「エイジングシート」が九都県市の技術表彰を受賞

熟成を促す革新的な技術、エイジングシート



日本初の熟成食材製造用「エイジングシート」が、先日開催された「九都県市のきらりと光る産業技術表彰」でその技術力を評価され、表彰を受けました。この「エイジングシート」を開発したのは、神奈川県川崎市に本社を置く株式会社ミートエポックです。この画期的な製品は、明治大学との産学連携の成果として誕生し、熟成肉や発酵熟成魚の製造に新たな技術を提供しています。

受賞の背景と特徴



「エイジングシート」は昨年、川崎市のものづくりブランドとして認定され、その実績から九都県市首脳会議へと推薦された結果、今回の栄誉を勝ち取りました。特筆すべきは、熟成に必要な菌が迅速に増殖し、腐敗菌の混入リスクを低減できる点です。これにより、初心者でも安定して熟成食材を作れるようになり、さらには肉の長期保存にも対応しています。

新型コロナウイルスの影響を受ける飲食業界において、フードロスを減少させることが求められる中、この技術は非常に重要な役割を果たしています。特に、川崎市の中央卸売市場北部市場と連携して、「発酵熟成熟鮮魚」にも応用されており、今後の展開が期待されます。

「九都県市のきらりと光る産業技術表彰」について



この表彰は埼玉、千葉、東京、神奈川の各知事と、横浜、川崎、千葉、さいたま、相模原の市長で構成される九都県市首脳会議が主催しています。地域企業の技術力向上を目指し、優れた技術を持つ企業を表彰する制度として、平成22年度から始まりました。今回の受賞は、エイジングシートの評価を通じて、地域の産業の発展に貢献できることを示しています。

エイジングシートの技術的詳細



エイジングシートは、肉の熟成に必要な人体に無害な菌を純粋に培養し、そこから回収した胞子を滅菌した布に付着させたものです。この製品は、株式会社ミートエポックと明治大学が共同で開発した特許技術の一部です。

従来のドライエイジング法では長期間かけて菌が繁殖し、風味が増しましますが、「エイジングシート」を使用すると、菌が迅速に増殖するため、熟成が短時間で行われます。これにより、通常の熟成日数である70日以上を必要とせず、20~30日で安定的な発酵熟成肉を作ることが可能になりました。

さらに、この技術は肉や魚の酸化を防止する特性も持ち、保存期間が延長できるため、持続可能な開発目標(SDGs)に基づくフードロス削減にも寄与することが期待されています。

会社概要



最後に、株式会社ミートエポックの概要を紹介します。神奈川県川崎市に本社を構え、2016年に設立された同社は、資本金3,300万円で、特許取得のエイジングシートを製造しています。さらなる技術の普及と食文化の発展を目指し、今後も取り組みを続けていく方針です。

住所: 神奈川県川崎市多摩区三田2-3227 (明治大学生田キャンパス 産学連携センター内)
代表者: 跡部美樹雄
*公式サイト: ミートエポック

「エイジングシート」技術の進展が、今後の日本の食文化にどのような影響を与えるのか、ますます注目が集まります。

会社情報

会社名
株式会社ミートエポック
住所
神奈川県川崎市多摩区三田2-3227
電話番号
03-6450-6516

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