日本の脱炭素化を加速する、JOGMECのCCS事業化に向けた取り組み
2050年カーボンニュートラル実現に向け、温室効果ガス削減は喫緊の課題となっています。その中でも注目されているのが、二酸化炭素(CO2)を回収して地下に貯留する技術「CCS(Carbon Dioxide Capture and Storage)」です。CCSは、産業活動で排出されるCO2を大気中に放出せずに、安全に隔離することで、地球温暖化対策に貢献する技術です。
JOGMEC(石油天然ガス・金属鉱物資源機構)は、日本のCCS事業化を推進するため、2023年度から「先進的CCS事業」を支援しています。2023年度には、7案件を選定し、CCSバリューチェーンの構築可能性について事業性調査を実施しました。
2024年度からは、CCSコストや地下貯留に係る不確実性の低減を図ることを目的として、「先進的CCS事業に係る設計作業等」の公募を実施し、9案件を新たに選定しました。これらの案件は、発電、石油精製、鉄鋼、化学、紙・パルプ、セメントなど、多様な事業分野から選定されており、北海道、関東、中部、近畿、瀬戸内、九州など、日本の主要地域におけるCO2排出削減に貢献すると期待されています。
選定された9案件は、年間約2,000万トンのCO2貯留を目指しており、そのうち5案件は国内での貯留、残りの4案件はアジア大洋州での貯留を想定しています。
JOGMECは、これらのプロジェクトに対して、CO2の分離・回収から輸送、貯留までのバリューチェーン全体を一体的に支援することで、CCS事業の実現に向けて強力にサポートしていきます。
日本のCCS事業化、そして世界へ
JOGMECは、先進的CCS事業を通じて、国内貯留だけでなく、アジア大洋州を中心に海外貯留を含めてモデル性のあるCCSの展開を支援することで、アジア大洋州地域全体での脱炭素化に向けた取り組みを促進します。
日本のCCS技術は、世界でもトップレベルであり、その技術力とノウハウを活かして、世界全体の脱炭素化に貢献していくことが期待されています。JOGMECは、今後も先進的なCCS事業を推進し、日本の資源エネルギーの安定供給とカーボンニュートラルの実現に貢献していきます。