新たな電子カルテが誕生
2025年4月1日、ウィーメックス株式会社が新たに提供を開始するクリニック向けレセコン一体型電子カルテ「Medicom クラウドカルテ」の開発に、TISインテックグループのTIS株式会社が支援しています。本プロジェクトでは、TISの優れた組織力と技術力が活かされ、ウィーメックスが持つ電子カルテやレセプトに関する豊富な知識と共に、効率的な開発が行われました。
背景:電子カルテの現状
政府が掲げる「医療DX令和ビジョン2030」によれば、電子カルテの普及率を2030年までに100%にすることが目指されています。ところが、現状では一般診療所における電子カルテの普及率はわずか55%にとどまっており、半数以上の診療所が未導入という厳しい実情があります。これは医療情報の効率的な提供につながる「全国医療情報プラットフォーム」の構築にも影響を与え、早急な対策が求められています。
医療DXのニーズに応える
ウィーメックスは、2007年から始まるレセコン一体型電子カルテ「Medicom-HR」シリーズを基盤に、2019年にはハイブリッドクラウド型の電子カルテ「Medicom-HRf」を展開。その後も継続的な改版を実施してきました。今回の「Medicom クラウドカルテ」は、国のデジタル化政策に対応し、初期投資を抑えたい新設医師や、医療機関のクラウド移行を希望する声に応えるべく設計されました。
特に、TISはその高度なマネジメントノウハウと、コスト削減を実現する技術力を持ち込むことで、この新製品の開発に貢献しています。また、クラウドベースの電子カルテとして、高いセキュリティとユーザビリティを両立させることも重要視されています。
プロジェクトの詳細
この共同プロジェクトは、2023年4月から2025年3月までの2年間にわたり進行しています。プロジェクトチームは両社からのメンバーで構成され、効率的な開発手法が採用されています。ウィーメックスが求める新商品の開発とユーザビリティの向上に応え、TISは開発コストを20%以上削減することに成功しました。
ウィーメックスが保有する医療情報システムに関する豊かな知識を活用し、TISのシステム開発実績に基づいた運営管理の最適化が図られました。
ユーザビリティと保守性を向上させるために、完全クラウド化が進められ、特にセキュリティ負担が軽減される設計が求められました。
セキュリティ対策には、厚生労働省や経済産業省が策定したガイドラインを遵守して、安全管理に万全を期す体制が整えられています。
今後の展望
この新しい電子カルテの登場によって、医療機関のITシステムに関する革新が期待されます。両社は、今後も医療・ヘルスケア分野において新しい協業の可能性を探求していく旨を表明しており、医療DXの進展に寄与する取り組みを続けていきます。
ウィーメックス株式会社の高橋代表取締役社長は、「Medicom クラウドカルテ」の開発に際し、TISがもたらしたプロジェクトマネジメントやクラウド技術の重要性を強調し、今後もより多様なニーズに応える製品提供を進める意向を示しました。
「Medicom クラウドカルテ」は、すでに多くの開業医にとって新たな選択肢となるでしょう。その詳細については、ウィーメックスの公式サイトをご覧ください。
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