スマホで理念と行動を結ぶ新ツール
社会保険労務士法人HABITATが発表した『ワークルールブックアプリ』は、企業の理念や行動指針、社内ルールをスマートフォンでいつでも確認できる便利なアプリケーションです。一般社団法人日本ABAマネジメント協会との共同監修により、行動分析学(ABA)に基づいた設計がなされています。このアプリは、社員が自立して行動するための制度作りを支援することを目的としているのです。
マネジメントの壁を打破する
「社員がなかなか動かない」「会議の決定が現場で実行されない」といった悩みは、多くの企業が抱える現実です。その背景には、人が行動する際に「やる気」よりも「環境」が影響するという心理的な側面があります。つまり、行動の基準が曖昧であれば、どんなにモチベーションを高めようとしても効果は薄いのです。『ワークルールブックアプリ』は、この悩みを解消し、理念や価値観を社員が自然に理解し、実行できるようにすることを目指します。
理念を行動に変換するメカニズム
行動分析学では、「良い行動を促す環境作り」に焦点が当てられています。この考えをもとに、『ワークルールブックアプリ』は理念を具体的な行動に変換します。例えば、「モチベーションを高める」ではなく、「新しい仕事を自分からやってみよう」、また「挨拶を大切にする」ではなく、「職場で会う人には自分から挨拶をしよう」。このように、具体的な行動に変えることで、社員が望む行動を自然と促すようになります。このアプリによって、組織の文化も次第に変化し、より健全な職場環境が形成されていくことでしょう。
手のひらで理念を確認
『ワークルールブックアプリ』の最大の特長は、会社の理念や行動指針、ルール、制度、さらにはQ&Aを一つにまとめている点です。これにより、社員はスマートフォンやPCを通じて、いつでもどこでもルールを確認できるようになります。もはや「マニュアルを探す」時代は終わり、手元で会社の考えを理解できることが、社員の自律性や行動のスピードを生み出すのです。
就業規則との違い
多くの方が疑問に思うのが、このアプリと就業規則の違いです。就業規則は主に労使の権利義務を明確にし、トラブルを防ぐために存在します。一方、『ワークルールブックアプリ』は、組織風土を向上させることを目的としています。理念の浸透や主体的な行動の増加を促進し、安全で安心した職場を作るためのツールであることを理解しておく必要があります。
理念を“使える”形にする活用法
このアプリは、導入したら終わりではありません。理念を社員が日常的に語るための実践ツールとなるのです。例えば、採用や面接の段階で社風や価値観をはっきり伝えることで、共感を呼び起こします。また、朝礼や会議でルールをテーマに短い対話を行うことで、現場の意識を統一します。日々の業務においては、「迷った時」にすぐに確認できる行動の辞書として活用でき、さらには社員の家族への理念の共有を通じて、周囲との信頼関係も強化されます。
導入の流れとサポート
導入時は、まず会社の理念や課題を整理し、アプリ用に最適化されたルールを整えます。その後、テスト運用を行い、現場の声を反映させながら調整を行った後、本導入となります。社会保険労務士法人HABITATのコンサルタントがサポートするため、初めての企業でも安心して運用を開始できます。
導入企業の成功事例
既に導入した企業からは、様々な成功体験が寄せられています。製造業では「入社後のミスが激減した」との声があり、小売業からは「管理職の判断が揃い、現場の混乱がなくなった」との報告も。福祉施設においては、「就業規則には書けない“会社の想い”が社員に伝わるようになった」と評価されています。
将来の展望
この『ワークルールブックアプリ』は、単なるツールにとどまらず、企業文化の変革を促す大きな可能性を秘めています。理念やバリューが現場で常に意識されることを目指し、今後は製造業、教育、医療、介護、サービス業など、判断が分かれやすい業種への展開も予定しています。また、AIを活用した行動ルールの提案など、さらに機能を拡張していく方針です。
まとめ
「気持ち」や「意識」だけではなく、実際に社員が行動を変えられるような仕組みを提供することが、私たちの目標です。理念やルールは社員を縛るものではなく、むしろ安心して行動できる道しるべです。この『ワークルールブックアプリ』が、企業文化を前向きに進化させるための一助となることを願っています。今後、ぜひこのアプリの活用を検討し、貴社の成長に役立てていただければと思います。