山口県の高級魚アマダイを考える「アマダイを調べ隊」の活動の意義
山口県は日本一の漁獲量を誇る高級魚、アマダイで知られています。それに焦点を当てた体験学習イベント「アマダイを調べ隊」が2023年7月6日と8月5日に開催され、県内の小学5、6年生24人が参加しました。この活動は、次世代に豊かで美しい海を引き継ぐことを目的としています。
イベントの概要
このイベントは、一般社団法人海と日本プロジェクトinやまぐちの主催で行われました。参加者たちは、アマダイの生態や漁獲方法、食文化、資源回復の研究開発について学びました。特に、2022年の国の統計によると、山口県はアマダイの漁獲量がトップであるため、子供たちがその魅力を直接体験することは重要です。
第1日目と第2日目の様子
両日の活動では、フィールドワークを含む様々な体験が提供され、子供たちはアマダイの生態に触れる機会を得ました。特に、漁船に乗っての漁場見学や、レンコダイの干物作りなどの体験は大きな印象を与え、彼らに環境問題を意識させる良い機会となりました。
活動終了後、隊員たちはそれぞれの体験を振り返り、意見交換を行った上で、最終的な提言をまとめました。提言の一部には「アマダイのおいしさをもっと多くの人に知ってもらいたい」「藻の減少や海水温の上昇がアマダイの生息環境を悪化させるのではないか」といった声が上がり、地域の未来を考えさせられる内容となりました。
知事への提言
2024年8月26日には、代表児童4名が山口県庁を訪れ、村岡嗣政知事に対して提言を行いました。彼らは緊張しながらも、自らの活動を写真パネルを用いて説明し、海の豊かさの重要性について語りました。村岡知事はこれらの意見を真摯に受け止め、山口県の水産資源に対する意識を高めていくことを約束しました。
彼は「実際に現地に行って学んだことが重要です。県は3方が海に接しており、資源も多いため、アマダイを盛り上げていきたい」と発言し、海を守るための政策に意欲を示しました。知事との懇談を通じて、隊員たちは自らの学びの成果を確認し、地域の環境問題についての考えを深めていきました。
今後の展望
「アマダイを調べ隊」は、今後も体験をもとに各自が考案したオリジナルコラボ食品のアイデアを集約し、新たな商品開発に役立てる予定です。また、学びを深めた成果は特別号としてまとめられ、県内の全小学5、6年生や学習施設に配布されます。
団体概要
一般社団法人海と日本プロジェクトinやまぐちは、山口県がもつ海の特性を活かし、ふるさとの海の現状を広く知ってもらう活動を続けています。
日本の海が抱える課題を子供たちが自分ごととして考え、未来の海に向けてのアクションを広げる「海と日本プロジェクト」の一環としての意義は非常に大きいものです。今後も、山口県を中心に、アマダイやその他の海洋資源の魅力を多くの人々に伝える努力が続けられていくことを期待します。