環境省の新事業が目指す脱炭素社会の構築
令和4年度において、環境省が発表した新たな事業計画が注目を集めています。このプロジェクトは、河川水や稲わら、廃プラスチックなど地域資源を活用し、これを水素やLPガス、ポリオレフィンなどに変換して循環させることを目的としています。これにより、CO2の排出量を大幅に削減し、地域資源の循環利用を実現することが期待されています。
画期的な触媒技術の開発
この事業の核となるのは、国立大学法人京都大学の北川宏教授が率いるチームによる多元素ナノ合金触媒の開発です。さらに、学校法人早稲田大学の関根泰教授が開発を進めている革新的反応場の技術とも合わさり、より高効率な水素生成が可能になるとのことです。
参画する企業も多く、各々の専門技術を集結させ、地域資源循環を推進していく見込みです。特に注目されるのは、希少金属の使用を大幅に削減し、かつ高性能を兼ね備えた触媒の実現です。これにより、今回の事業は2030年の社会実装を目指し、2050年には開発した技術が世界的なスタンダードとなることを計画しています。
PEM水電解技術とは?
この新しい事業において中心的な役割を果たすPEM水電解技術。これは、固体高分子電解質膜(PEM)を用い、電気分解によって水を水素に変換する技術です。しかし、この技術には課題が残されています。それは、持続的な実用に向けた耐久性確保のために使用される高価な希少金属触媒です。
当社は、これまで約10年以上の年月をかけて、京都大学と連携し、ナノ合金触媒の連続合成技術を確立してきました。この触媒技術は、効率的な化学反応を可能にし、同時に資源のリサイクルにも寄与することを目指しています。
これからの展望
今回の事業への参加により、当社はさらに触媒量産技術を発展させ、カーボンニュートラル達成に向けた貢献を果たします。これからの技術革新がどのように地域に根ざした循環型社会を形成していくか、期待が高まります。
また、PEM水電解技術は「グリーン水素」を作り出す有望な手段として、復興と持続可能な社会の実現に向けた重要な鍵になると言えるでしょう。
今後も、これらの革新的な技術の進展や実用化に関する情報は注目されることでしょう。脱炭素化を実現するための取り組みが、いかに地域社会や世界に貢献できるのか、その成り行きに期待が寄せられています。
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