日本製鉄発の新スタートアップ「KAMAMESHI」が目指す製造業改革
東京都大田区に誕生した株式会社KAMAMESHIは、日本製鉄株式会社が設立した新たなスタートアップ企業です。代表取締役社長の小林俊氏は、製造業を支える新しい仕組みの必要性を強く感じ、仲間とともにこのビジョンを実現すべく取り組んでいます。「同じ釜の飯を食う仲間」という思いを込めて名付けられたKAMAMESHIは、製造業界の悩みを解決するために活動を開始しました。
創業の背景と目的
小林氏は大学時代から製造業の中小企業との交流があり、10年の日本製鉄でのキャリアの中で、業界の課題解決に尽力したいと考えていました。特に、設備の老朽化が多くの企業にとって深刻な問題であることを痛感し、同じ志を持つ仲間と共に事業案を検討し始めました。
「老朽化した設備は、維持コストが高く、部品調達も困難になり、最終的には廃業に追い込まれる企業も少なくありません。そのため、業界全体をフラットに結びつけ、補完し合いながらこの問題を解決したいと思っています。」と小林氏は強調します。この取り組みは、経済産業省の起業育成プログラムでも評価され、多くの注目を集めました。
KAMAMESHIのサービス
KAMAMESHIは、2024年4月に中小製造業者を対象とした設備部品管理・マッチングプラットフォーム「Kamameshi」の有償版をリリースしました。このプラットフォームでは、企業が持つ部品の在庫情報を共有し、必要な部品同士を簡単にマッチングできるような仕組みを構築しています。
「私たちが提供するのは、まずは社内の在庫管理システムです。QRコードを用いた棚卸や廃盤品情報の可視化を行い、効率的な在庫管理を支援します。さらに、会員制の部品売買プラットフォームを通じて、商社や問屋に滞留している部品を処理する手助けも行っています。」と小林氏は説明します。リリースから4ヶ月で60社以上が導入を決め、年間200事業所の導入を目指しています。
大田区という立地の魅力
創業地である大田区には、創業支援に強い施設「六郷BASE」があります。ここでの支援を受けながら、KAMAMESHIはさらなる成長を目指しています。「大田区は製造業に適した環境が整っており、私たちにとって大変有利です。また、東京全体が企業の本社が集まる中心地であるため、意思決定者との距離が近いことも大きなポイントです。」と小林氏は語ります。
デジタル時代を背景に、KAMAMESHIは海外展開も視野に入れています。多国籍企業向けに多言語対応の在庫管理システムを開発し、日本の製造業革命をグローバルに推進していく意欲を見せています。今後の展開が注目されます。
企業概要
- - 会社名:株式会社KAMAMESHI
- - 所在地:東京都大田区南六郷三丁目10番16号(六郷BASE内)
- - 代表者:小林俊
- - 設立:2023年8月1日
- - 事業内容:設備・部品・商品の提供システムの開発、マーケティング、物流等
- - ホームページ
独自のアプローチで製造業の課題を解決し、新たな風を吹き込むKAMAMESHI。今後の活躍に期待です。