Nosterが同志社大学キャンパスを新たな研究拠点に!
Noster株式会社(本社:京都府)は、同志社大学から学研都市キャンパスを譲渡され、腸内代謝物であるHYA(10-hydroxy-cis-12-octadecenoic acid)の研究・生産拠点として整備を進めています。この新たな拠点は、次世代の生命科学とバイオ産業を育てる国家戦略特区「けいはんな学研都市」の中心地に位置しています。ここでの目的は、日本発のバイオ産業モデルを具現化することです。
HYAとは?
Nosterが研究しているHYAは、植物油に含まれるリノール酸を腸内細菌が変換して得られる代謝物です。京都大学との共同研究により、HYAの代謝経路を世界で初めて解明し、微生物発酵を用いた生産技術も確立しました。HYAは、炎症や代謝、腸管バリア、肌の健康など、さまざまな領域で生理作用が報告されており、魚油由来のEPA/DHAに続く“第三の健康脂質”としてますます注目されています。
HYAの利点
HYAの大きな特徴は、海洋資源に依存しない点です。微生物によって生成される持続可能な脂質という新たな選択肢を提供し、健康とサステナブルな社会の両立において貴重な資源と考えられています。さらに、海洋資源の不安定性が問題視される現在、HYAはその代替品としての期待を高めています。
次世代バイオ工場を2027年に稼働
Nosterは、経済産業省が所管するNEDOからの支援を受けて、革新的なバイオ工場を学研都市キャンパス内に建設する計画です。この工場は、腸内代謝物技術が産業化・社会実装されるための重要な拠点となります。工場の特徴には、主要工程の自動化、微生物代謝をリアルタイムに可視化するバイオセンサー技術、高品質な代謝物の安定供給を実現する生産システムが挙げられます。
新たな研究所の設立
この新しい拠点では、腸内代謝物に関するさまざまな研究が推進される予定です。研究の対象としては腸内細菌の機能解析、代謝物の生理機能解明、微生物合成技術の高度化などが挙げられます。HYAの研究はその第一歩であり、今後の展開に期待が寄せられています。
けいはんな学研都市との連携
今回のプロジェクトは、けいはんな学研都市に集結した約12,000人の研究者や産学官の連携を最大限に活用します。Nosterと同志社大学は、若手研究者や起業家の育成、バイオ分野の新たな教育モデルの創出、そしてグローバルな研究ネットワークの拡大を目指しています。
Nosterの未来像
私たちが目指すのは、腸内代謝物を基盤に医療と日常生活の境界を越えた“フルヘルス社会”の実現です。科学に情熱を注ぎ、未来を照らす新たな生命科学の潮流を世界に発信していきます。
会社概要
- - 名称:Noster株式会社
- - 代表者:CEO 北尾浩平
- - 所在地:京都府向日市上植野町南開35-3
- - 設立:2020年
- - 事業内容:腸内細菌と代謝物の研究開発、HYAの生産、バイオ工場の運営、国際研究連携
この革新的な取り組みについて、詳しい情報はNosterの公式ウェブサイト(https://www.noster.inc/jp/)をご覧ください。また、報道関係者からの問い合わせはNoster株式会社広報室までお願いします。