JAXA認定ベンチャー「天地人」が水道DXを進化させる新機能とは

株式会社天地人は、2025年の春から提供予定の新機能を発表しました。この新機能は、従来の漏水リスク診断や点検・修理記録管理のサポートに加え、地域の特性に基づいた水道管の更新計画策定支援と、宇宙ビッグデータを活用した新たな機能が追加されます。

水道インフラの課題と新機能の意義

水道インフラの耐震化は、日本各地での地震に備えるために欠かせない要素です。2024年に発生した能登半島地震の影響で、多くの地域で水道管が被害を受け、断水が発生しました。これを受けて、国土交通省は上下水道の耐震化を急務とし、この流れに呼応して「天地人コンパス宇宙水道局」も新機能を実装することになりました。

新機能は、地域特性に合わせた水道管の更新計画を策定することを支援します。この機能により、地域特有の課題を科学的データに基づいて解決できるようになります。特に、さまざまなシナリオを考慮に入れながら、平常時の漏水リスクや災害時の影響を重視した柔軟なプランニングが可能です。

宇宙ビッグデータ活用による新機能

天地人は、宇宙ビッグデータを駆使した技術も展開します。これにより、過去から現在に至るまでの水道管の設置状況やまちづくりの変遷を追体験できる「タイムトラベル機能」が実装され、自治体による歴史的データ分析が可能になります。また、「ジオアナライザー機能」では地域特性を可視化し、効率的な管路更新のためのデータを提供します。

実績と信頼性

天地人は2023年のサービス開始から、すでに20以上の自治体で導入され、管路の分析も約80,000キロメートルに達しています。さらに、56,000件以上の漏水件数を学習した独自AIは成熟度を増しており、その評価技術の高さが、厚生労働省や国土交通省からも評価されています。

このような背景を持つ天地人は、急速に進化し続ける水道DXサービスのニーズに応える形で、人々の生活に直接的なメリットをもたらすことでしょう。