人事データ活用に関する新たなガイドラインが発表されました

株式会社HRテクノロジー・コンソーシアム（HRT）は、人事のデータ活用に関する実易しい指針「人事データ活用ガイドライン」を発表しました。このガイドラインは、特に採用や人材配置といった領域でのデータ利用を安全に行えるように、実務に基づいた内容が特徴です。従来、データの活用は企業にとっての重要な課題であり、テクノロジーの進化も著しい中で、データとテクノロジーを活用した新たな人事管理システムの導入が必須とされています。

近年は、優秀な人材の獲得・維持がますます重要視されており、データに基づいた人事管理がその鍵を握ると言えます。しかしながら、プライバシーや個人情報に関する法的な課題も存在し、特に学生の内定辞退率を算出するために卒業生の同意を得ずデータを販売していた「リクナビ問題」が注目を集めた例もあります。

このような状況を受け、HRTは新しい人事データ活用の具体的な指針を策定することで、法令や指針よりも一歩進んだ安全なデータ利用の道筋を作ろうとしています。

データ活用ガイドライン策定においては、特に現場からの意見を重視しており、採用や人材配置に関する実務的な情報を豊富に含んでいます。特に、企業の人事部門が直面する実務課題に対し、具体的なソリューションを提供する狙いを持っています。

また、今後は「採用」や「人材配置」の個別論点に関するガイドラインも順次リリースされる予定です。これにより、個々の企業がデータを効果的に活用し、法的リスクを回避しながら人事戦略を推進できるようになります。

HRTでは、会員限定のリソースとしてガイドラインをPDF形式で提供し、事務局から送信されたパスワードを用いてダウンロードが可能です。今後のリリース予定としては、6月中旬には採用領域の個別論点、6月末までに人材配置の個別論点、7月末には組織・人材開発や安全配慮・退職に関する全体ガイドラインが公表される予定です。

このガイドラインは、HRに関わる専門家の知見を盛り込んでおり、特に実務の現場で直面する問題への具体的なアプローチを提供することに力を入れています。背景には、急速に進化するテクノロジーの中でも、法令遵守を果たしながらいかに効果的に人事データを活用するかが企業成長にとって重要な課題であることがあります。テクノロジーを駆使することで、企業はあるべき組織のあり方を見直し、より効果的な人材活用ができるようになるでしょう。

今後もHRTは、人事領域における情報の提供や、テクノロジーの導入を支援する活動を続けていく意向を示しています。人事管理の進化と共に新たなビジネス機会を創出するため、データ活用に向けた取り組みは今後も重要なテーマとなるでしょう。

詳しいガイドラインは、HRTの公式ウェブサイトからアクセス可能です。ご興味のある方はぜひ確認してみてください。