CarroがFY2024で急成長を達成
シンガポールを拠点とするCarroは、アジア太平洋地域におけるオンライン中古車プラットフォームとして、2024年度に記録的な業績を達成しました。この結果は、昨年のパフォーマンスを遙かに上回るもので、特にEBITDAで4300万シンガポールドル(約3200万米ドル)を達成したことが注目されています。これにより、同社は前年比11倍という驚異的な成長を実現しました。
Carroはこの成長を、マーケットプレイス向けに付随するビジネスの拡大、エコシステムからの収益多様化、そして生産性の向上によって支えてきました。特に、FY2024の粗利益率は12%を記録し、前年の8%からの顕著な改善を果たしています。粗利益は1億2400万シンガポールドル(約9200万米ドル)、前年対比で49%の成長を見せています。これらの実績は、同社の独自のエコシステム主導のビジネスモデルが功を奏した証です。
地域を超えた拡大
最近の12ヶ月間でCarroは、東南アジアに加え、日本や香港にも展開を果たしました。このような地理的なプレゼンスの拡大は、同社の成長戦略の一環であり、特にフィンテック事業であるGenie Financial Servicesが大きな成長を見せています。このフィンテック部門では、全体の貸付残高が4億9600万シンガポールドル(約37000万米ドル)に達し、不良債権(NPL)は0.5%未満に抑えられています。
共同創業者兼CEOのアーロン・タンは、取引量の増加と二桁成長を背景に、収益性や顧客ライフタイムバリューを改善することに継続的に取り組んでいると語っています。AIや機械学習などの最新技術を積極的に取り入れることで、同社はさらなる成長と市場の競争力を確保する体制を整えています。
資金調達と戦略的提携
Carroは、Woori Venture Partnersからの新たな戦略的投資を受けて、特にインドネシア市場の成長を重視しています。Woori Venture Partnersは、Carroの革新的なビジネスモデルに対して強力な支持を示しており、ゆるやかなパートナーシップを築いています。また、Jardineからも資金を調達し、従来の自動車サービスの向上を目指す取り組みも進行中です。
Woori Venture Partnersのディレクター、アラン・アンは、Carroが変革が期待される分野において一貫したリーダーシップを持っていると評価しています。インドネシアの中古車市場は急成長し、2024年には563億米ドルに達する見込みです。収入の増加が期待されているこの市場において、Carroはさらなる機会を模索しています。
持続可能な成長を目指して
Carroはまた、自社のサービスを強化するために、インシュアテック事業を推進し、保険商品のオンライン販売にも力を入れています。新たなプラットフォームの立ち上げと業務の最適化を通じて、Carroは顧客に対してより良いサービスを提供し続ける意向です。アーネスト・チューCFOは、流動性の確保や経費削減に対する意識が収益の質を高め、業務のポジティブなキャッシュフローにつながっているとコメントしています。
Carroの成長は単に数字だけでなく、地域のモビリティ市場における重要なプレイヤーとしての地位を固めています。今後、どのような新たな展開が待ち受けているのか、ますます目が離せない企業です。