宅地建物取引業者数の増加が続く中、監督処分は微増の令和5年度調査結果
宅地建物取引業法の施行状況調査結果
令和5年度の宅地建物取引業法に基づく施行状況調査が国土交通省から発表されました。その結果、宅地建物取引業者数が過去10年にわたり増加を続けていることが確認されました。この調査結果は、業者数の増加傾向が社会全体における不動産市場の活性化を示唆しています。
業者数の増加傾向
調査によると、令和5年度末(令和6年3月末時点)での宅地建物取引業者数は合計で130,583業者に達しました。このうち、大臣免許を持つ業者は3,047件、知事免許を持つ業者は127,536件で、対前年度比で見ると大臣免許は125業者(4.3%)、知事免許は854業者(0.7%)増加しました。全体で979業者(0.8%)の増加となり、10年連続の上昇を記録しています。
監督処分の実施状況
監督処分や行政指導についても調査が行われました。令和5年度においては、国土交通大臣または都道府県知事が実施した監督処分件数は167件で、これは前年より28件(20.1%)の増加です。内訳としては、免許取消が97件と54%の増加を見せており、業務停止は33件と減少傾向にありました。指導件数は37件で、こちらも若干の減少となっています。また、行政指導の件数は531件と、前年よりも3件(0.6%)の微増がありました。
宅地建物取引士の登録者数
さらに、宅地建物取引士の登録状況も重要な指標です。令和5年度には、新たに29,734人が登録を受け、総登録者数は1,183,307人に達しました。この傾向は、宅地建物取引士の需要が高まっている可能性を示しています。
結論
今回の調査結果からは、宅地建物取引業者数の増加が続く中、監督処分は一部で増加したものの、全体としては安定的な市場環境が維持されていることが伺えます。特に新規登録者が増えている点は、業界の将来に期待が持てる状況と言えるでしょう。今後もこの動向を注視していく必要があります。