1Tbps級光ネットワーク自動設定技術の披露
日本のNTTグループは、2025年4月に米国サンフランシスコで開催される世界的な光ネットワーク技術会議「OFC2025」において、1Tbps光波長回線の自動設定を可能にする先進的な技術を初披露します。この技術は、IOWN Global Forum(IOWN GF)、Open ROADM MSA、およびTelecom Infra Project(TIP)というオープン仕様の国際的な枠組みに基づいています。
光ネットワークのデジタルツイン
本技術の肝となるのが、「光ネットワークのデジタルツイン」と呼ばれる概念です。これにより、光伝送路の状況を仮想的に再現し、実際の光信号データを解析することで、最適な光伝搬パワーレベルを把握できます。このデータを基にして、光波長回線の設定がスムーズに行えるようになります。
多様なサービスへの応用
自動化された光ネットワークは、リモートプロダクションや遠隔手術支援、データセンタエクスチェンジなど、様々な新サービスの基盤となることが期待されています。これにより、異なる拠点間での迅速で高品質なデータ通信が可能となり、医療・メディア等の業界での応用が広がります。
展示の具体的な内容
展示会では、NTTとNTT Com、Orange、Telefonicaの連携によるAPN(All-Photonics Network)の構成が行われ、デジタルツイン技術を用いた1Tbps級光波長回線の運用実演が披露されます。複数の通信装置をつなげることで、リアルタイムでの通信性能の最適化が実現され、参加者は新たな通信技術の進化を目の当たりにすることができます。
今後の展望
今後、NTTグループはこの技術の商用導入を目指し、さらなるフィールド検証を行っていく予定です。オープン仕様に基づくAPNの導入は、今後の通信インフラに革新をもたらすでしょう。特に、省エネルギーや低遅延、大容量の接続が求められる現代のニーズに応える形で、光ネットワークのさらなる進化が期待されます。
このような革新的技術の導入により、NTTグループは通信の未来に向けた重要な一歩を踏み出し続けています。OFC2025での展示を通じて、多くの関係者がこの新技術に触れ、今後の発展に注目することでしょう。