未来型住宅の実現に向けたプロジェクト
鹿児島県南種子町に、3Dプリンターを利用した住宅が新たに建設されることになりました。このプロジェクトは、兵庫県のセレンディクス株式会社と静岡県のJOINX(ジョインクロス)という地域創生事業を手がける企業が手を組んだものです。地域の活性化を図るだけでなく、宇宙科学を学ぶための拠点を目指しています。
プロジェクトの概要
本プロジェクトは、南種子町の宇宙ヶ丘公園内に位置する拠点施設の一部として進められます。この施設では、3Dプリンター住宅が「研修・宿泊施設」として整備され、子供たちの学びや交流、さらには研究実験を行うための基盤となる予定です。学ぶことを通じて、宇宙科学を専門的に学ぶ場や企業の研修型ワーケーション、さらには実験の場として活用されます。
セレンディクスは敷地内に「serendix50」と呼ばれる住宅を建設する予定で、これは昨年9月に石川県珠洲市で竣工したモデルと同じものです。また、特別モデルとして平屋建ての住宅も計画されています。これにより、地域に新たな住まいの形が加わり、未来の住まい方を提案します。
3Dプリンター住宅の販売へ
セレンディクスは2025年1月から3Dプリンター住宅の販売を開始予定で、全国展開を目指しています。販売フェーズに移行する過程で、蓄積した施工ノウハウを活かし、地域ごとのニーズに合った施工例を積み重ね、本格的な量産に繋げる計画です。今後は、JR西日本グループとの駅舎建設プロジェクトなど、住宅以外の分野でも事業を広げていく方針です。
市場の反応と期待
このプロジェクトには、すでに300件以上の購入意向を示した顧客がおり、今後の進展が期待されています。また、コスト低減と品質向上を進めながら、実際に人々の生活に即した住宅を提供することが目指されています。顧客から寄せられる要望にも応じて新モデルの開発が進められ、デジタル技術の進歩を一緒に体感することができるスキームを構築しています。
JOINXとセレンディクスの背景
JOINXは2020年に設立され、地域でのコワーキングスペース運営や関係人口創出に取り組んでいます。また、セレンディクスは日本初の3Dプリンター住宅メーカーとして2024年から3D住宅の販売を行っており、県内外の様々なプロジェクトに参画しています。これにより、地域の発展と共に、デジタル人材の育成にも寄与することを目指しています。
新たな挑戦としての3Dプリンター住宅プロジェクトは、種子島だけでなく日本全体において、未来の住まい方を見つめ直す機会となることでしょう。地域の活性化や新たな学び場の提供、さらには新しいビジネスモデルの確立に向けて、期待が高まります。