ENEOSと三菱ケミカルがプラスチック油化設備を竣工
2025年7月2日、ENEOS株式会社と三菱ケミカル株式会社は、茨城県神栖市において、プラスチックの油化事業に関連するケミカルリサイクル設備を完成させ、竣工式を盛大に執り行いました。この設備は、プラスチック資源の再利用を推進し、循環型社会の実現を目指す重要な一歩となります。
背景と目的
近年、プラスチック廃棄物の増加が深刻な環境問題となっており、リサイクルの重要性が高まっています。ENEOSと三菱ケミカルは、その解決策としてプラスチック油化事業に取り組んでおり、新しいリサイクル技術を活用して、廃棄プラスチックを新たなエネルギー資源として再生することを目指しています。
設備の詳細
新たに竣工したこの設備では、英国のMura Technology社が開発した超臨界水熱分解技術を取り入れています。この技術により、外部から調達した使用済みプラスチックが、高温・高圧環境下で化学的に分解され、リサイクル生成油が製造されます。この生成油は、さらに両社の既存の石油精製装置やナフサクラッカーにて、石油製品や各種化学品、プラスチック製品へと再製品化されるプロセスが計画されています。
持続可能な製品の提供へ
また、本設備は国際的な持続可能な製品認証であるISCC PLUS認証の取得を目指しています。これにより、リサイクル生成油を原材料にした製品には、環境に優しいという価値が付与され、消費者にとって魅力的な選択肢となることが期待されます。
企業のビジョン
ENEOSグループは「今日のあたり前を支え、明日のあたり前をリードする」というビジョンを掲げ、エネルギーや素材の安定供給とカーボンニュートラルの実現を両立させることを目指しています。一方、三菱ケミカルグループは「革新的なソリューションで人、社会、そして地球の心地よさを持続する」という目的のもと、グリーン・スペシャリティ企業を目指しています。
未来への取り組み
両社は今後、プラスチック油化事業を通じてカーボンニュートラルと循環型社会の実現を積極的に推進していく方針です。この新しい設備の運用を通じて、環境問題解決に寄与し、さらに持続可能な社会の基盤を築くことを目指します。
このように、ENEOSと三菱ケミカルの行動は、持続可能な未来に向けた重要なステップとなっており、期待が寄せられています。