四足歩行ロボットによる設備点検で実現する製油所の未来
コスモ石油株式会社は、製油所のデジタルプラント化に向けた新たな取り組みとして、四足歩行ロボットを活用した自律型設備点検の概念実証(PoC)を開始しました。この実証は、2026年5月に大阪府堺市の堺製油所で行われる予定であり、ロボットによる自律走行や設備データ取得を試験することを目的としています。
製油所の保全と効率化の重要性
製油所は長年の運用により経年劣化が進んでおり、装置の信頼性向上とともに安全や安定操業を維持することが求められています。特に50年以上稼働している装置も少なくなく、高経年化による故障は重大なリスクとなります。これに伴い、設備運用の高度化と予兆保全の強化が課題となっています。
その解決策の一環として、コスモ石油は四足歩行ロボットの導入を検討しています。ロボットによる点検業務は、従来の人員に依存した作業と比べて、効率的で安全性が高いとされています。特に、人の感覚では気づきにくい初期の異常を検出する能力や、継続的に全体の設備状態を把握することが期待されています。
現場での実証内容
四足歩行ロボット「Spot」を使用し、以下の内容で現場検証を行います:
- - 現場環境における設備点検の実現性を確認する。
- - 各種センサーを用いた設備状態確認の精度を検証する。
- - ロボットの活用に向けた課題を整理する。
検証期間は2026年5月24日から28日までの5日間で、堺製油所の排水処理設備エリアが実施場所です。このロボットは、自律走行技術を駆使して、夜間でも点検が可能です。
今後の展開とデジタルプラント化
今回のPoCから得られる知見を基に、コスモ石油は設備点検業務におけるロボットの使用を段階的に拡大する方針です。具体的には、自律走行の安定性やデータ取得の精度を検証し、そのデータを解析することで異常検知の精度を高め、現場における運用性を確保することを目指します。また、安全面に関しても対策を講じていくとのことです。
コスモエネルギーグループは「Vision 2035」として、AIを活用した製油所のデジタル化を進め、全3製油所にデータ統合基盤を導入しました。これにより、運転データや保全計画などを一元的に管理し、AIによる異常予兆検知に役立てています。今回の四足歩行ロボットの導入は、デジタルプラント化に向けた重要なステップです。
今後もデジタル技術を駆使し、製油所の安全性と効率性を高めながら、産業インフラの課題解決に貢献する取り組みを続けていくことが期待されます。