法人会の景況感調査
2025-01-17 16:16:25

法人会が示した景況感調査結果から見える企業の賃上げ事情

法人会が示した景況感調査結果から見える企業の賃上げ事情



公益財団法人 全国法人会総連合(全法連)による最新の景況感アンケートが発表されました。この調査は、中小企業を中心に約70万社で構成される法人会の会員企業を対象に実施され、業績や賃上げに関する意見が集められました。この調査には、法人会に登録した14,115名の中から1,836名(13.0%)が回答を寄せています。

毎年6月と12月に行われるこのアンケートは、企業の業績についてのトレンドを把握する重要な手段となっています。今回の調査では、前回の令和6年6月の調査と比べて「業績が良い」とする企業が増加しており、特に建設業では6.9%、卸売業・小売業では5.2%の上昇を見せています。全体ではプラス2.8%という結果が出ました。

また、令和6年度の最低賃金が過去最高の51円引き上げられたことについて、62.5%の企業は「社会情勢を考えるとやむを得ない」と評価しています。しかし、その一方で賃上げに関しては半数以上が「原資の確保」や「人件費の増加による採算悪化」を課題に上げており、状況は厳しいと言えるでしょう。

令和7年度の賃上げについての質問に対して、全体の52.6%が「ベースアップを実施する予定」と回答しましたが、従業員29人以下の企業ではこの割合が47.8%にとどまっています。大企業においては比較的賃上げが行われる傾向が見られる一方で、中小企業の取り組みはまだまだ厳しい状況にあると言えます。

さらに、仕入価格や人件費の上昇分を「価格転嫁できていない」と答えた26.3%の企業のうち、74.9%が従業員29人以下の企業であったことも注目に値します。これにより、特に小規模なビジネスが価格上昇の影響を受けやすいことが明らかになりました。

一橋大学大学院経営管理研究科の安田行宏教授は、「物価高のトレンドが続いている中で、企業は賃上げを維持するために、収益を一層向上させる必要がある」と指摘しています。経済全体の先行きが不透明である中、企業は今後どのような戦略を取っていくのか、注目が集まっています。賃上げを行うことができれば、消費の活性化につながることも期待されていますが、実際の運用がどのようになるかは企業によって異なるでしょう。今後の動向が非常に重要です。

この調査結果は、企業が直面している課題とその解決策を読み取るヒントを与えており、特に中小企業の経営者にとっては自社の経営戦略を再考するための重要な材料となるでしょう。業績の改善が果たして賃上げに結びつくのか、注視していく必要があります。


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