2024年度インパクト投資に関する消費者意識調査
一般財団法人社会変革推進財団(SIIF)は、2024年度のインパクト投資に関する消費者意識調査を実施し、その結果を発表しました。この調査は、インパクト投資に対する一般消費者の意識を多角的に分析することを目的としており、今回で6回目の実施となります。特に注目されたのは、2年ぶりに行われた定量調査で、「エシカル消費意識」に関する新たな質問を加えたことです。
調査結果の概要
2019年以降、投資経験者が過半数を超えたのは今回が初めてで、51.2%が投資経験があると回答しました。これは、2022年の46.0%からの大幅な増加を示しています。類似の傾向は、インパクト投資の認知度にも見受けられます。2024年には過去最高の7.7%に達し、特に20代・30代の投資経験者においては認知度が約3割にも達しました。
実施への興味があると答えた人は、全体で16.4%と最低値を記録しましたが、やはり20代・30代の投資経験者の中での関心は高い傾向が見られました。これらの結果は、過去との比較においても一定のパターンを示しています。
社会課題への関心
調査の中で、インパクト投資に興味を持っている人々が特に関心を寄せる社会課題テーマも明らかになりました。再生可能エネルギーや、先進技術を利用した社会課題への取り組みが、最も関心の高いテーマとなっています。また、環境保全や持続可能な農業、質の高い医療・介護サービスに関連する投資も、多くの支持を集めました。
特筆すべきは、投資経験や環境・倫理を意識した消費行動が相関する点です。特に、エシカル消費意識が高い消費者はインパクト投資にも高い関心を示すことがわかりました。このような傾向は、将来的に特に有望なセグメントとして、若年層および高齢層が挙げられています。
調査の基本情報
この調査は、2024年8月20日から21日にかけてインターネット上で実施され、20歳から79歳の全国の一般消費者を対象に行われました。回答者は4,557人で、昨年の4,414人から増加しています。調査は、全国の性別人口比と世代人口比に基づく層化二段無作為抽出法で行われ、実査は株式会社マクロミルに委託されました。
SIIFは、今後もインパクト投資を通じて社会課題の解決に取り組む重要性を訴えていきます。各層の消費者が関心を持つことで、持続可能な未来を築く助けになるでしょう。