西部・中部アフリカでコレラ危機が拡大
2025年7月30日、ダカール(セネガル)発の最新情報では、西部・中部アフリカ地域でコレラの感染が急増していることが報じられています。特に雨季が始まり、約8万人の子どもたちが深刻な感染リスクにさらされているため、国連児童基金(ユニセフ)は緊急の対応が必要であると警鐘を鳴らしています。
コレラ感染拡大の背景
コレラの感染リスクが高まっている要因には、コンゴ民主共和国とナイジェリアでの集団発生が挙げられます。これにより、感染が隣国への越境の脅威となっています。他にも、チャド、コンゴ共和国、ガーナ、コートジボワール、トーゴという国々でもコレラの流行が確認されており、ニジェール、リベリア、ベナン、中央アフリカ共和国、カメルーンは感染のリスクが高く、厳重な監視下に置かれています。地域全体の感染を抑え込むことが急務となっています。
ユニセフの支援活動
ユニセフ・西部・中部アフリカ地域事務所代表のジル・ファニヌー氏は、「豪雨、洪水、避難民の増加がコレラの感染リスクを増大させ、多くの子どもの命が危険にさらされています」と述べています。さらに、現在の衛生条件の悪さと安全な飲料水へのアクセスの困難さが、子どもたちを特に脆弱にしていると警告しています。
コンゴ民主共和国では、保健省が7月に報告したところによると、38,000件以上のコレラ症例と951人の死亡が確認されています。そのうち25.6%は5歳未満の子どもによるもので、特に影響が大きいことが分かります。
各国の状況
ナイジェリアでは、6月末時点で34州で3,109件のコレラ疑い例が報告されており、大規模な集団発生が繰り返されています。ガーナでも春から初夏にかけて612件の症例、コートジボワールでは322件の症例と15人の死亡が報告されています。チャドでは、難民キャンプの過密状態や水不足が深刻で、感染が急速に広がる恐れがあります。
ユニセフの緊急資金調達
ユニセフは、今後3ヶ月でコレラに対する緊急対応を拡大するために2,000万ドルの資金を必要としています。この資金は、衛生や水の供給、コレラ予防接種、コミュニティでの啓蒙活動に使われます。
ユニセフの使命
ユニセフは、全ての子どもたちの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連の機関です。世界中の190以上の国や地域で、最も困難な立場にある子どもたちへの支援を重点的に行っています。日本国内では、日本ユニセフ協会が同機関の活動を代表し、広報や募金活動を行っています。
この西部・中部アフリカのコレラ危機に対し、地域全体での協力ある取り組みと、地元コミュニティへのサポートが求められています。