核融合発電の新たな挑戦
2025-05-19 11:21:29

京都大学、新たな核融合発電実証プロジェクトへの挑戦を開始

京都大学と民間企業のStarlight Engine、及び京都フュージョニアリングの三者は、革新的なエネルギー源として注目される核融合に関する共同研究契約を結びました。この契約は、2030年代のフュージョンエネルギー発電の実証を目指す「FAST」プロジェクトの一環として行われており、世界の核融合技術競争における重要な一歩とされています。

FASTプロジェクトの背景



FASTプロジェクトは、2024年11月に始動する予定で、民間企業が主導する形で、産業界や学術界のパートナーと協力し合いながら進められます。プロジェクトの中心となるのは、プラズマの閉じ込めにおいて実績のあるトカマク型装置です。このトカマク型は、従来の研究や実験から得られたデータをもとに、性能管理や技術リスクを軽減しながら、より効率的なシステムの開発を目指します。これにより、FASTプロジェクトはフュージョンエネルギーの実用化へと近づくことが期待されています。

プラズマ設計に向けた共同研究



今回の共同研究契約の主な目的は、発電実証に必要なプラズマの設計最適化です。具体的には、高温超伝導技術を用いたトカマク炉について、プラズマの形状やコイルの配置、さらには圧力や電流の分布が炉心プラズマの性能に与える影響を研究します。また、燃料供給や反応生成物の閉じ込めに関連する高度なシミュレーションも行われ、これによりFASTプロジェクトの設計と開発が一層推進されます。

役割と期待する成果



京都大学のエネルギー科学研究科に所属する松山准教授は、フュージョンエネルギーの早期実現への期待が高まっていることを指摘します。彼は、共同研究を通じて大学と民間企業のパートナーシップを強化し、未来のエネルギーを担う人材育成を目指す意向を述べています。これにより、核融合プラズマに関する豊かな知識が本プロジェクトで活用されることでしょう。

一方、Starlight Engineの社長である世古氏は、このプロジェクトが日本国内、さらには世界の核融合開発における大きな指標になることを期待しています。彼は、豊富な知識を持つ京都大学及び京都フュージョニアリングとの協力によって、プロジェクトが成功するために全力を尽くす決意を示しました。

京都フュージョニアリングのCEO小西氏も、京都大学との共同の意義を強調し、同社の技術力を活用してプロジェクトを推進する意欲を表明しています。

未来のエネルギー開発に向けて



この共同研究は、単なる学問的な挑戦に留まらず、持続可能な社会を実現するための鍵を握るかもしれません。未来のエネルギー供給の枠組みを変える可能性を秘めたこのプロジェクトに、私たちの目が集まっています。そして、さらに多くの研究や実験が進む中で、フュージョンエネルギーの商業化へと向けた動きが加速することが期待されます。未来のエネルギーを担うこの挑戦に、今後も注目が集まりそうです。


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会社情報

会社名
Starlight Engine株式会社
住所
東京都大田区平和島六丁目1番1号東京流通センター 物流ビルA棟 AW1-S
電話番号

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