水田JCMコンソーシアムの設立とその意義
Green Carbon株式会社は、出光興産、大阪ガス、兼松、損害保険ジャパン、東邦ガス、芙蓉総合リース、三菱UFJ信託銀行と協力し、水田由来のJCMクレジットの普及を図る「水田JCMコンソーシアム」を設立しました。これは民間企業による初の試みであり、フィリピンでの間断かんがい技術(AWD)を活用したプロジェクトが中心となります。
JCMとAWDの基本的な理解
JCM(Joint Crediting Mechanism)は、日本とパートナー国が協力して温室効果ガスを削減し、その成果を両国で分配する制度です。日本政府は2030年度までに1億t-CO2、2040年度までには2億t-CO2の削減を目指しています。それに対して、AWD技術は水田の水管理法であり、一定期間水を抜き土壌を乾燥させることでメタンガスの排出を抑えることができます。
コンソーシアムの目標と活動
本コンソーシアムは、AWDを実施するプロジェクトによって米の収量の向上と天候がAWDに与える影響の分析を行い、成果をパートナー国との連携を通じて農業分野におけるJCMの普及に寄与することを目指しています。各企業が協力し、JCMクレジットの普及を推進することで、より多くの農家がこの技術を導入できる環境を整えたいと考えています。
今後の展望
Green Carbonは、特にフィリピンを中心として水田のAWD導入に力を入れており、2025年には承認された方法論に基づいたプロジェクトが進行します。また、AWD技術によるJCMクレジットの需要が見込まれており、農家からの収益向上にも貢献することで、発展的な成果を期待しています。
環境省と農林水産省の支持
環境省と農林水産省は、AWDが温室効果ガス削減に貢献できる重要な技術であると評価しており、民間企業の取組みを支援しています。このコンソーシアムが成功することで、AWDプロジェクトのJCM化が進むとともに、今後さらに多くの企業が参加することが期待されます。
まとめ
水田JCMコンソーシアムの取り組みは、持続可能な農業と温室効果ガス削減を目指す非常に意義深いものです。この活動が成功すれば、農業界全体への影響は計り知れず、より多くの農家が持続可能な方法での生産を行えるようになることが期待されます。