最高額の清酒「十輪」
2021-05-12 10:00:06

オークション史上最高額を記録した清酒「十輪」誕生の舞台裏

オークション史上最高額を記録した清酒「十輪」



2021年4月17日、SHINWA AUCTION主催のWINE/LIQUORオークションで、440万円という驚異の金額で落札された清酒「十輪(トワ)旅スル日本酒」。この清酒がどのように生まれたのか、そしてその背景には一体どんな物語があるのかを詳しく解説します。

清酒「十輪」の誕生



「旅スル日本酒」と名付けられたこの清酒は、一般社団法人エクスペリエンスの森田隼人氏が手掛けたプロジェクトの一環として誕生しました。森田氏は、2019年から「世界一のお酒」を目指し、軽トラックの荷台に積んだタンクを用いて、ロシア全土を横断しながらお酒を醸造するという前代未聞の挑戦を開始しました。この旅のルートは、ロシアのウラジオストックからモスクワへと至る9800キロもの陸路で、彼はこの道中でお酒を仕込むという革命的な試みに挑みました。

清酒の醸造過程は、通常、固定された土地で行われますが、「旅スル日本酒」はその概念を覆しました。移動することで、日本酒に新たなテロワールの概念を持ち込み、地球全体を舞台にした独自のお酒が生まれました。この手法は、海抜0メートルから1000メートルの高低差を伴いながら進行し、人類史上初のチャレンジであったと言えるでしょう。

制作の背景とプロセス



森田氏は、岩手県の「南部美人」をはじめとする日本の酒造りのプロフェッショナルたちと密に連携し、最高品質の清酒を完成させました。「旅スル日本酒」は、並行複発酵という日本酒特有の技法で造られており、その仕上がりは従来の日本酒とは一線を画す風味と香りを放っています。

オークションに出品された際、出品者としての彼の思いは「このお酒が持つ特別なストーリーを知ってもらいたい」というものでした。実際、清酒の世界では、440万円という金額は未曾有の記録。多くの参加者がその価値を見出し、激しい競争の末にこの金額で落札されました。

森田隼人の経歴



森田氏は1978年に大阪府で生まれ、大学卒業後に建築業界でキャリアを積むも、25歳の時に独立しデザイン事務所「M-CROME」を設立します。その後、様々な飲食事業に関与し、特に「肉と日本酒」の文化に情熱を注いできました。彼のユニークなアプローチと技術的な革新が功を奏し、2016年にはプロジェクションマッピングと食を融合させたレストラン「クロッサムモリタ」が話題を呼び、一躍注目を浴びました。

森田氏は「酒サムライ」として認められ、日本国内外で和牛と日本酒の啓蒙活動を行い、2020年には農林水産省から「料理マスターズ」にも叙任されるなど、食文化に対する貢献が評価されています。

今後の展望



「十輪」旅スル日本酒は単なる清酒ではなく、世界中の人々に日本酒の新しい魅力を伝えるための象徴的な存在となりました。今後も、森田氏は様々なプロジェクトを通じて、清酒の可能性を広げていくことでしょう。世界に一つだけの清酒、その特別なバックストーリーを持つ「十輪」は、今後も多くの人々に感動を与え続けることでしょう。

会社情報

会社名
一般社団法人エクスペリエンス
住所
台東区根岸1-5-7ニューエクセル藤和201
電話番号

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