競争力のあるデジタル決済環境の構築に向けて
2025年10月1日、日本のPassPay株式会社と韓国のStableK株式会社が、「アジア・ステーブルコイン・ネットワーク(ASCN)」の設立に向けた非拘束的な覚書(MoU)を締結しました。この協業は、日本と韓国におけるクロスボーダー・ステーブルコインの導入を目指しており、スワップや決済のコンセプトを探求するとのことです。両社は、そのプロセスにおいて、各国の規制遵守を確保しつつ、現実のユースケースを開発することを重視しています。
背景と意義
最近、各国で法令順守、準備金、相互運用性のあるステーブルコインの枠組みが進展しており、日本と韓国はデジタル化の度合いが高く、経済的にも密接に結びついています。この流れの中で、PassPayとStableKは、観光や電子商取引、国際送金、機関投資家向けの決済といった多様な分野での具体的な使用事例を検討しています。特に、双方のトップが述べたように、コンプライアンスを厳格に遵守し、ユーザー体験を重視したステーブルコインの実用化に向けた取り組みが期待されています。
協業の内容
この覚書のもと、PassPayとStableKは共同ワーキンググループを設立し、具体的な取り組みを進めます。まず、KRWとJPYの連動とするステーブルコインにおけるスワップや決済設計に関する初期検討を行います。その後、高い安全性を持つクリプトネイティブなアーキテクチャの評価も視野に入れています。このプロジェクトは、各市場の金融機関、企業、決済パートナーとの連携を強化し、包括的なエコシステムの構築を目指しています。このような共同の取り組みにより、参加するネットワーク間での標準やインセンティブを整合させ、効率的かつ透明性の高いシステムを確立していくことが重要です。
経営陣の見解
PassPayの代表取締役、北野義勝氏は、「StableKと協力し、日本と韓国間のステーブルコイン活用を進められることを嬉しく思います。このMoUにより、実際の基盤構築を迅速に進め、ASCNの実現可能性を見極めるつもりです」とコメントしています。一方、StableKの代表取締役、姜棠元氏も、「PassPayとの協業を通じて、国境を越えて法令に適合したステーブルコインのフレームワークを構築したい」とし、透明性、安全性、実用性の新たな標準を確立する意向を示しています。
PassPayとStableKについて
PassPayは東京都に本社をおくフィンテック企業で、次世代決済システムの開発に注力しています。一方、StableKは韓国で設立された企業で、KRWに連動するステーブルコイン「SKRWC」の展開に取り組んでいます。両社とも、グローバルな社会でのデジタル取引の円滑化を目指す重要なプレーヤーとして位置づけられています。
今後の展望として、この協業が日本と韓国の経済連携をさらに強化し、アジア地域におけるデジタル通貨の発展に寄与することが期待されています。