日本農業とTOWINGが「宙炭」でシャインマスカット栽培の実証を開始!環境負荷軽減と生産性向上へ
日本農業株式会社と株式会社TOWINGは、高機能バイオマス炭「宙炭」を活用した根域制限栽培によるシャインマスカット栽培の実証を、栃木県宇都宮市で開始しました。この実証は、日本農業の子会社であるジャパングレープ株式会社が運営する約4haのぶどう圃場で実施されます。
背景と目的
近年、農林水産業における環境負荷軽減が求められており、農林水産省は「みどりの食料システム戦略」を推進しています。この戦略では、2050年までに農林水産業のCO2ゼロエミッション化や化学肥料の使用量削減などが目標として掲げられています。
今回の実証では、TOWINGが開発した高機能バイオマス炭「宙炭」を活用することで、シャインマスカットの収穫量増加や品質向上、そして温室効果ガス排出量削減を目指します。「宙炭」は、地域の未利用バイオマスを炭化し、TOWING独自の技術で土壌由来の微生物群を効率的に選別・培養した農業資材です。農地に施用することで、作物の生育促進、土壌改良、環境負荷軽減などの効果が期待できます。
TOWINGと日本農業の連携
TOWINGは、バイオマス炭の農地施用に関するJ-クレジットのプログラム認定を取得しており、環境負荷軽減と資源循環に貢献しています。一方、日本農業は、日本の農業の構造転換を目指し、生産から販売までを一気通貫で担う事業を行っています。特に、国内のぶどう栽培面積が減少する中、高品質な日本産ぶどうの輸出量を増やす取り組みを積極的に行っています。
実証の概要
実証は、栃木県宇都宮市板戸町のジャパングレープのぶどう圃場で行われます。約4haの圃場で、シャインマスカットの苗木10本に対して、125Lの「宙炭」を施用します。この施用により、14.4kgの温室効果ガス削減が見込まれています。
今後の展開
本実証では、シャインマスカットの生育状況や収穫量などを詳細に調査し、データに基づいた分析を行います。その結果を踏まえ、宙炭を活用した根域制限栽培の更なる技術開発を進め、持続可能な農業の実現に貢献していく予定です。
ジャパングレープが運営する宇都宮市のぶどう圃場
ジャパングレープは、2024年4月に宇都宮市板戸町に約4haのぶどう圃場を拡張しました。この圃場では、根域制限栽培を採用し、シャインマスカットを中心に約400本の苗木を定植しています。根域制限栽培は、根の分布域を制限することで、水やりや肥料の管理を効率的に行うことができます。また、樹体が小型化するため、作業負担を軽減し、省力化も実現できます。
株式会社TOWINGについて
- - 社名:株式会社TOWING
- - 代表者:代表取締役CEO 西田宏平
- - 所在地:愛知県名古屋市千種区不老町1番
- - 設立:2020年2月
- - 事業内容:宙炭の製造・販売、導入支援、カーボンクレジットの代理取得・販売、宙炭を利用して生産した作物の販売
ジャパングレープ株式会社について
- - 社名:ジャパングレープ株式会社
- - 代表者:代表取締役 伊集院正之介
- - 所在地:栃木県宇都宮市戸祭町2638-12
- - 設立:2023年8月
- - 事業内容:ぶどうの生産・選果・販売
株式会社日本農業について
- - 社名:株式会社日本農業(英文表記:Nihon Agri, Inc.)
- - 代表者:代表取締役CEO 内藤祥平
- - 所在地:東京都品川区西五反田1丁目13-7 マルキビル101
- - 設立:2016年11月
- - 事業内容:農産物の生産・加工および輸出・販売、農業経営コンサルティング等
本実証を通して、日本農業は「宙炭」を活用した革新的な農業技術を確立し、持続可能な農業の実現に貢献していくことを目指しています。