『Gaze Art Book』の完成と寄贈
最近、視線入力技術を活用したアートブック『Gaze Art Book』が完成し、その魅力をより多くの方々に届けるため、各種図書館や施設に寄贈が行われました。このプロジェクトは、重い障がいを持つ人々の表現の可能性を広げようとの思いから始まり、社会福祉法人あいの実が中心となって推進してきました。
あいの実の取り組み
あいの実は、重度の障がいを抱える方々が視線入力技術を用いてアート制作を行えるよう支援しており、その成果が『Gaze Art Book』という形で結実しました。この書籍は、プロのグラフィックデザイナーの監修のもと、視線入力によって制作されたインクルーシブアートの魅力を存分に詰め込んだ一冊です。
このプロジェクトの背景には、島根大学の助教、伊藤史人先生が開発したアプリケーションがあり、技術面でのサポートを受けながら、障がい者の創作の幅を広げられました。また、清水芸術基金の助成を受け、様々な方々の協力を得ながら進行してきました。この場を借りて、その関係者の皆様に感謝の意を表したいと思います。
寄贈先と利用方法
『Gaze Art Book』は、宮城県立こども病院や仙台市民図書館、泉図書館、宮城野図書館、太白図書館、宮城県図書館など、複数の施設に寄贈されました。これにより、多くの人々が新しいアートに触れる機会を得ることができます。
各施設での貸出や閲覧については、運営スケジュールに基づくため、利用を希望される方は直接施設に問い合わせてください。寄贈は今後も続いていく予定で、アートブックを扱う施設がさらに増えることが期待されています。詳細な寄贈先リストは、あいの実の公式ウェブサイト(
こちら)からご確認いただけます。
アートプロジェクトの未来
社会福祉法人あいの実では、これまでの経験をもとに、医療的ケアを必要とする子どもたちが経済的に自立できる社会を目指した新たなプロジェクトを進めています。このプロジェクトは、アートを通じた自己表現の場を提供し、持続可能な収益モデルへとつなげること目指しています。
具体的には、デジタル技術や印刷技術を用いて視線入力やタッチ操作によるアート制作環境を整備し、作品を商品化して収益を作家に適正に分配する仕組みを構築することを計画しています。これを通じて、医療的ケアが必要な人々が活躍できる場を作り出します。また、学校や図書館などとの連携を深め、より多くの人に多様な表現の可能性を伝える活動も重要視しています。
まとめ
『Gaze Art Book』を通じて、視線入力によるアートがどのように社会に貢献できるか、私たちはまだ始まったばかりです。このプロジェクトは、あくまで一歩に過ぎず、未来に向けてさらなる発展が期待されます。企業や団体の皆様の技術的支援や協力を得ながら、誰もが自らの可能性を最大限に発揮できる社会の実現を目指して活動を続けてまいります。どのようなご質問、ご相談もお待ちしておりますので、お気軽にご連絡ください。