名古屋の設計事務所が世界的デザイン賞を受賞
名古屋市に拠点を置く株式会社CURIOUS DESIGN WORKERSは、最先端の建築デザインを手掛ける設計事務所として注目を集めています。この度、彼らの代表作である『ARTBOX』が、国際的に権威のある「iFデザインアワード2024」と「アジアデザインプライズ2024」の二つの重要なデザイン賞を受賞しました。この受賞は、同社の設計における革新性と独自のアプローチを強く示すものです。
iFデザインアワードとは
iFデザインアワードは、ハノーバーを拠点とするiF International Forum Designが主催し、世界で最も歴史のあるデザイン賞のひとつです。毎年、約11,000件のデザイン作品が応募され、132名のデザイン専門家によって厳正な審査が行われます。今回、CURIOUS DESIGN WORKERSが受賞した『ARTBOX』は、Interior Architecture部門でその実力を発揮しました。
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アジアデザインプライズについて
一方、「アジアデザインプライズ」は、2016年に設立され、アジア地域における優れたデザインを掘り起こすことを目的としています。今年のアジアデザインプライズには、25カ国から1,601件のデザインがエントリーされ、その中から厳正な審査によって最終受賞者が決定されました。『ARTBOX』は、その中でグランプリを獲得し、同時にアジアのデザインシーンにおける重要な作品として認識されました。
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『ARTBOX』の特徴
『ARTBOX』は、北垂れの土地で計画された戸建て住宅で、その高低差を活かしつつ、地域特有の問題である土砂災害を考慮した設計がなされています。敷地内にはRC造の防壁が設置されており、これをただの防災と思うかもしれませんが、CURIOUS DESIGN WORKERSはこれをアートの舞台へと昇華させました。屋外の防壁にはミューラルアート(壁画)が施され、住居内にもその感性が色濃く反映されています。これにより、殺風景な防壁が再生され、ひとつの文化的資産と化したのです。
また、『ARTBOX』のデザインは「アートを詰め込んだ箱」というコンセプトのもとに構築されており、4つの箱型フォルムが外観に印象を与えています。内装に於いても、様々なデザイン要素が組み込まれ、光の演出やインテリアの美しさが際立つように工夫されています。
参加アーティスト
『ARTBOX』には、地域のアーティストたちも参加しており、防壁の壁画はDORAGON76が手掛け、トイレの壁画はKensuke Takahashi、リビングのキャンバスアートにはKoryuが携わりました。これにより、建築とアートが見事に融合した空間が生まれています。
代表者の言葉
同社の代表、石本輝旭氏は、「空気感をデザインする」ことを信条としており、建築設計だけに留まらないさまざまなデザイン分野にも挑戦しています。この「ARTBOX」のプロジェクトは、名古屋発の新しい文化創造の象徴とも言えるでしょう。
CURIOUS DESIGN WORKERSの今後のさらなる活躍が楽しみです。