インフレ下の「絶対的貧困」の拡大と食料寄付の減少にフードバンクはどう立ち向かうのか?
NPO法人フードバンク仙台は、2024年7月27日(土)に、2023年度の活動報告会を開催する。テーマは「インフレ下の「絶対的貧困」の拡大と食料寄付の減少にフードバンクはどう立ち向かうのか」。
フードバンク仙台は、2020年5月の設立以来、生活困窮者への食料支援を続けている。2024年3月末までに、延べ約3万人の生活困窮者に、総計約62万食の食料を無償で提供してきた。しかし、近年は、食料価格の高騰や光熱費の上昇、そしてコロナ禍の影響もあり、生活困窮者が増加しているという。
報告会では、2023年度の活動報告、2024年4月から6月までの現状、インフレによって拡大する「絶対的貧困」、食料寄付量の減少、そして2023年度から開始した農地プロジェクトの報告などが行われる。
深刻化する「絶対的貧困」の現状
フードバンク仙台には、深刻な相談が寄せられている。水道・電気・ガス代の滞納でライフラインが停止している世帯、1日1食でしのいでいる世帯、家賃を支払えず退去通知が届いた世帯など、生活困窮に苦しむ人々の姿が浮かび上がる。
報告会では、具体的な事例が紹介される予定だ。例えば、70代の女性は、年金収入が少なく、部屋の設備故障などのトラブルが重なり、食費を削らざるを得ない状況に陥っていた。また、20代の男性は、うつ病により職を失い、借金を抱え、家族からの仕送りも期待できない状況だという。40代の女性は、派遣社員として働きながらも、電気代・ガス代・水道代の滞納が続き、子どもと2人で食事を減らさざるを得ない状況にある。
食料寄付の減少という新たな課題
深刻な状況をさらに悪化させているのが、食料寄付の減少だ。2023年の秋以降、食料価格の高騰や気候変動による農作物の収量低下などが原因で、食料寄付量が減少し、フードバンク仙台だけでなく、全国の支援団体で共通の課題となっている。
食料支援の未来を考える
報告会では、食料支援の現状と課題、そして今後の展望について考える機会となる。2023年度の活動報告を通して、上記のような厳しい現状や課題を紹介し、日本に今必要な貧困対策・困窮者支援について議論する。また、食品価格の高騰に対応した当団体の農地での野菜作りの試みや、当団体への食品寄付の具体的なやり方なども紹介される。
参加して、現状を知り、未来を考えよう!
今回の活動報告会は、多くの人々に「絶対的貧困」や食料支援の現状を知ってもらうための重要な機会となる。現状を知り、問題点について考え、未来に向けて何ができるのかを共に考えていきたい。
活動報告会への参加を希望される方は、以下のリンクからお申し込みください。
https://forms.gle/rCwVHXhzAUrftWK69
【活動報告会の概要】
タイトル:NPO法人フードバンク仙台 2023年度 活動報告会「インフレ下の「絶対的貧困」の拡大と食料寄付の減少にフードバンクはどう立ち向かうのか」
日時:2024年7月27日(土) 19時00分〜20時30分 (18時30分開場)
場所:戦災復興記念館・第5会議室(住所:仙台市青葉区大町2丁目12−1)
参加費:無料
ぜひご参加ください。