2025年の崖:大企業におけるレガシーシステム刷新の現状と課題
2025年問題とも呼ばれる「2025年の崖」は、多くの企業にとって深刻な課題となっています。特に、長年運用されてきたレガシーシステムは、その複雑さや非効率性から、DX推進の大きな障壁となっています。本記事では、テックタッチ株式会社が実施した「大企業における『2025年の崖』に関する実態調査」の結果をもとに、レガシーシステム刷新の現状や課題、そして今後の展望について解説します。
レガシーシステムは企業の半分以上で50%以上を占める
調査によると、回答企業の半数以上で、運用しているシステムのうちレガシーシステムが50%以上を占めていることがわかりました。特に、基幹システムにおいてレガシーシステムの割合が高く、全体の54.5%を占めています。
レガシーシステムによる課題
レガシーシステムが残存することで、企業はさまざまな課題に直面しています。調査結果から、最も多い課題は「システム機能や詳細がブラックボックス化する」というもので、全体の47.2%が回答しています。
その他にも、以下のような課題が挙げられます。
システムが肥大化し改修や機能追加が困難になる
他のITシステムとの連携ができないことからDX推進が遅れる
システム保守運用や維持コストが増大する
技術面のアップデートが遅れ不具合が多い
サポート期限が切れており問題発生時に対応できない
約8割の企業が「2025年の崖」対策としてレガシーシステムの刷新を進めている
「2025年の崖」への対策として、約8割の企業がレガシーシステムの刷新を進めているという結果が出ています。具体的な対策としては、「既存システムから新規システムへの完全な移行」「既存システムから新環境への置き換え」「既存システムを元にした置き換え」などが挙げられます。
刷新後の新システムに求められるもの
レガシーシステムを刷新し、新たなシステムを導入する際には、以下の点が重要となります。
他システムとの連携が容易であること
システム活用実態の可視化やデータ分析が容易に行えること
システム活用・DX推進をサポートする体制をパートナーが持っていること
ガイドやマニュアルがあり、誰でも操作しやすいUIであること
導入・定着までのコストを最小限に抑えて運用できること
まとめ
本調査結果から、多くの企業が「2025年の崖」への対応を進めていることが明らかになりました。しかし、レガシーシステムの刷新は容易ではありません。システムの複雑さや技術者の不足、コスト面などの課題を克服し、スムーズな移行を進める必要があります。
企業は、自社の現状を把握し、適切な計画を立て、パートナーとの連携を強化することで、レガシーシステムの刷新を成功させる必要があります。
参考資料
デロイトトーマツミック経済研究所「SaaS管理・運用・開発市場の実態と展望 2024年度版」
株式会社アイ・ティー・アール「ITR Market View:コミュニケーション/コラボレーション市場2023」
本調査のレポートダウンロード
https://techtouch.jp/resources/ebook-2025-digitalcliff/