日本のアグリバイオスタートアップ企業アクプランタ株式会社が開発したバイオスティミュラント資材「スキーポン」が、韓国で注目を集めています。
アクプランタは、6月に韓国の代理店World Atech社と連携し、韓国国内で「スキーポン」を農作物栽培に使用している農家を訪問、現地での効果を確認しました。
韓国では、酢を「チョ」と呼ぶことから、「スキーポン」は「チョキーポン」として販売されています。
訪問した韓国東北部の江原道(カンウォンド)のキャベツ農家とブロッコリー農家からは、「チョキーポン」の使用によって、乾燥対策に効果が見られたという声が上がりました。
キャベツ栽培では、スプリンクラーによる散水回数を減らすことができたという報告を受けました。これは、「チョキーポン」が植物の乾燥耐性を高める効果によって、水やり回数を減らすことができたと考えられます。
一方、ブロッコリー栽培では、生育をそろえるのが難しいという課題がありましたが、「チョキーポン」の施用により、生育が揃うようになったことで、収穫作業が軽減されたという報告も得られました。
農家の方々からは「こんな画期的な製品を作ってくれてありがとう」と感謝の言葉をいただきました。
アクプランタは、今後もWorld Atech社と連携し、韓国での「チョキーポン」普及を進めていく予定です。
「スキーポン」は、酢酸(酢の主成分)の作用を活用したバイオスティミュラントです。酢酸の作用で植物の乾燥や高温への耐性を高めることで、収量や品質の維持、節水に繋げることが可能です。
アクプランタは、理化学研究所の研究員だった金鍾明氏が2017年に設立した企業です。同氏は、学術誌「Nature Plants」に発表した、植物の乾燥耐性を高める酢酸の作用に着目し、「スキーポン」を開発しました。
気候変動や減農薬・減化学肥料の需要の高まりを背景に、アクプランタは国内外で「スキーポン」の実証実験に取り組んでいます。
国内ではJAふじ伊豆(静岡県)、群馬、愛知、和歌山の各県農業試験場、全国各地の農家、農業グループ、企業などと連携し、実証実験を進めています。
海外では、米国やウガンダなど14カ国で高温・乾燥対策の実証実験に取り組んでいます。
アクプランタは、第6回 アグリテックグランプリ最優秀賞、第1回JAアクセラレーター優秀賞、AgriFood SBIRピッチ2023ビジネス構想最優秀賞、日本経済新聞社主催「超DXサミット インパクトピッチ」日経賞など、数々の賞を受賞しています。