神戸赤十字病院に導入された水害対策の最前線
2024年から施行される厚生労働省の指針により、日本赤十字社 神戸赤十字病院は新たに水害対策に取り組むことになりました。その一環として、ユアサ商事、株式会社サンポール、応用地質株式会社が共同開発した「キヅキミライボラード」が採用されました。
このボラードは一見、通常の車止めと同じですが、実は独自の技術を搭載しており、台風や豪雨による浸水を迅速に検知する優れた機能を持っています。浸水が発生した場合には、情報が管理者に即座に通知されるため、現場への迅速な対応が可能となります。
浸水対策の必要性
神戸赤十字病院は、台風や豪雨の影響を受けやすい地域に位置し、地下には重要な発電設備が設置されています。このため、地下が浸水するリスクがあることから、浸水対策が重要視されています。今回の「キヅキミライボラード」の導入は、そのニーズに応える形で実現しました。
キヅキミライボラードの仕組み
この特許技術を利用したボラードは、フロート式の水位計を搭載しており、浸水水位に達すると3つの機能が作動します。まず、管理者に冠水情報がメールで通知され、次にLEDの非常灯が点滅し、周囲に注意を促します。さらに、水位が下がると、状況を再通知し、非常灯の点滅を解除します。
このように、リモートで浸水状況を確認できることで、救助や対応がスムーズに行えるのです。特に、現地に行くことなく状況把握ができるのは、運用管理の効率を大きく向上させる要因となります。
環境に配慮した設計
「キヅキミライボラード」は太陽光発電で動作し、商用電源を必要としません。そのため、設置に伴う工事が簡易で、コストも抑えられます。また、日常的に自動ヘルスチェックが行われ、電圧異常が発生した場合にも迅速に管理者へと通知される設計です。
今後の展望
今後は、この水害対策機能を医療施設や工場、他の公共施設にも普及させ、さらには自治体との連携を強化していく予定です。地域のインフラ維持や、災害に強い街づくりに貢献することで、より安心・安全な社会の実現を目指しています。
このように、神戸赤十字病院における「キヅキミライボラード」の導入は、その重みを増してきている水害対策の一環として位置づけられており、今後の普及への期待が高まります。