TOKYO KNIT:伝統と革新が織りなす、東京発ニット産業の未来戦略
東京ニットファッション工業組合(TKF)は、TOKYO KNITブランドを軸に、国内外への発信を強化する新たな戦略を展開しています。古くからニット産業が盛んな墨田区を拠点とするTKFは、歴史と革新が融合した独自のブランドイメージを確立し、世界に「TOKYO KNIT」の技術と魅力を届けることを目指しています。
動画とブランドサイトでブランドイメージを統一
この戦略の中核を担うのは、TOKYO KNITの魅力を余すことなく伝えるプロモーション動画です。動画では、墨田区の職人の技、伝統的な技術と近代的な設備が融合した生産現場、そして未来へ向けた情熱がリアルに映し出されています。この動画は、リニューアルされたブランドサイトを始め、様々なデジタルプロモーションに活用され、企業(to B)と消費者(to C)双方に共通のブランドイメージを醸成していくためのハブとしての役割を果たします。
多角的な展開でブランド認知度向上を図る
ブランドサイトのリニューアルとプロモーション動画公開に加え、TKFは多角的な施策を展開します。その取り組みは、以下の通りです。
ECサイトの開設: TOKYO KNIT認証商品を直接購入できるECサイトをオープン。消費者は、商品の背景にあるストーリーや職人の技を知った上で購入できます。これは、近年重要性を増しているトレーサビリティの観点からも大きな意味を持ちます。
障がい者アーティストとのコラボレーション: 2023年度から続く障がい者アーティストとのコラボレーションを本格化。「共生社会」の実現を目指し、高い技術力を持つ職人たちと、創造性に富んだアーティストたちの融合により、唯一無二の商品を生み出します。若い世代のデザイナー育成にも繋がる「次世代クリエイター・プロジェクト」もスタートします。
ファッションイベントへの参加: 「TOKYO FASHION CROSSING 2024」への参加を通して、TOKYO KNITブランドの認知度向上と業界活性化に貢献します。イベントでは、障がい者アーティストとのコラボアイテムや、サステナビリティをテーマにした「クオリティコレクション」など、数々の魅力的な作品を披露します。
SNS強化: Instagram、Facebook、YouTubeなどの公式SNSアカウントを通じて、TOKYO KNITの魅力を発信し、積極的な情報発信を継続します。
「Made in TOKYO」の価値を世界へ発信
TKFは、ブランドサイトの充実を通して、「Made in Japan」だけでなく「Made in TOKYO」の価値を世界に向けて発信します。各認証企業の紹介ページを充実させることで、企業の強みや技術を明確に示し、OEM受注の増加にも繋げようとしています。
TOKYO KNIT認証制度による品質と信頼性の担保
TOKYO KNITブランド認証制度は、一定の基準を満たした企業と商品を認証する制度です。この制度を通じて、高品質な商品と、その背景にあるストーリーを消費者に伝えることで、信頼関係の構築を目指します。
東京ニット産業の歴史と未来
江戸時代から続く東京のニット産業の歴史は、日本の歴史と密接に結びついています。武士の副業として始まった手編みが、明治時代の殖産興業政策を経て発展し、戦後には東京のファッション文化の中心として発展を遂げました。伝統と革新が融合したTOKYO KNITは、この歴史と技術を継承しながら、未来へ向けた挑戦を続けています。
結びに
TOKYO KNITの取り組みは、単なるブランド戦略を超え、地域産業の活性化、障がい者支援、サステナビリティへの貢献など、多様な社会課題への取り組みを統合したものです。日本の伝統技術と東京の創造性が生み出す未来への展望に、大きな期待が寄せられています。