新電池技術の可能性
2021-09-01 17:40:05

AC Biodeとサレジオ高専が開発した新電池技術の可能性とは

概要


AC Biode株式会社とサレジオ工業高等専門学校の新たな研究成果が注目を集めています。両者が共同で開発したこの新技術は、従来のリチウムイオン電池システムに比べ、約10%の容量向上を実現しました。この成果は、電動化が進む車両や蓄電技術において、安全性や容量増加が求められる中で、非常に意義深いものです。

実験背景


近年、車両の電動化や蓄電のニーズが高まる中、リチウムイオン電池以外の新しい電池素材の開発には、長い時間と多くの資金が必要となります。そのため、AC Biodeは既存の材料と製造プロセスを活用した新しいアプローチを取ることにしました。具体的には、電池を交流で使用し、昇圧回路を組み合わせることで効果的に容量向上を図ることが目指されています。

実験結果


実験の結果、AC Biodeおよびサレジオ高専は、交流を用いた電池システムが従来の電池システムに比べ、約10%高い容量を持つことを確認しました。この充電容量向上の要因は、電池を直列に接続した際の充電電圧のばらつきの低減や、内部抵抗を低く抑える効果に関連しています。

バイオードの利点


AC Biodeが独自に開発した「Biode」両性電極は、交流による充放電を可能にしました。この技術は、電極間の電位を下げることで安全性を高め、同時に電池の寿命を延ばす成果も見込まれています。また、必要な半導体スイッチの数が従来の半分に減少することも、大きな利点です。

今後の展望


今後は、さまざまな条件(電圧、電流、静電容量、周波数など)に応じた最適化を進めていくことが必要です。特に、ドローンやAGV(無人搬送車)などのマイクロモビリティ分野での実験を重ね、商業化へと結び付けることを目指しています。将来的には電気自動車(EV)やバックアップ電源、蓄電システムなど、広範な用途での活用を視野に入れています。

AC Biodeとサレジオ工業高等専門学校について


AC Biodeは、京都に拠点を持つスタートアップで、材料科学やエレクトロニクスに基づいた技術開発を行っています。新しい電池技術に加え、廃棄物プラスチックからの化学品リサイクル技術CircuLiteや、発電所からの灰をリサイクルする技術など、多岐にわたり活動しています。サレジオ高専は、機械電子工学科など技術者の育成に力を入れており、実験・実習を重視した教育を行っています。双方の連携により、新しい電池技術の商業化が期待されています。

会社情報

会社名
AC Biode株式会社
住所
京都府京都市左京区岩倉花園町498番地6
電話番号

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