サントリーの交通広告価値を可視化する革新的実証実験

新たな広告価値の実現へ

サントリーホールディングス株式会社が広告出稿を行う中、株式会社LIVE BOARD、NTTドコモ、電通アドギア、電通の4社が共同で、アナログ交通・屋外広告（OOH）の広告価値を可視化するための実証実験を開始します。この実験は2024年10月1日から2025年7月31日までの期間に渡って行われ、広告業界における新たな指標提供を目指します。

背景

交通広告は、駅の中吊りやポスターなどのアナログ形式と、デジタルサイネージを含むデジタル形式（DOOH）の2つに分かれます。最近ではデジタル化が進んでいるものの、アナログ形式の広告も引き続き重要な役割を果たしています。しかしながら、日本の広告業界ではOOHに特化した確立された効果測定指標が存在しないため、効果の分析が難しいという課題があります。

そこで、今回の実証実験ではDOOHの指標を活用し、OOH広告の効果を測定するための新しい指標を設計。これにより、OOHの広告の視認性や影響力を可視化することが可能になります。

実証実験の詳細

この実験は900媒体以上、鉄道180路線以上の広告を対象とし、DOOHのインプレッション、リーチ、フリークエンシーなどの指標を用いて効果を測定します。具体的には、次の2つの計測手法を組み合わせます。

1. アクチュアル計測

NHKが保有する大規模な会員データや「モバイル空間統計」を基に、実際にOOH広告に接触した回数を測定し、インプレッションやリーチ数を算出します。このデータによって、OOH広告の視聴回数などの具体的な数値に基づいた評価が可能です。

2. インパクト計測

広告が設置された場所やサイズによる影響を調査するため、18のエリアにおいて視聴者に対するアンケートを実施。その結果をもとに、広告がどれだけのインパクトを持っていたかを測定します。具体的には、交通・屋外広告への印象や記憶に残る媒体の選定と、それに基づくスコアリングが行われます。

実証実験の成果と今後の展望

この研究により、OOH広告の接触回数とインパクトのデータを使って、広告の効果測定が可能になります。さらなる透明性と信頼性を高め、広告主が求めるPDCAサイクルに必要なデータを提供することで、効果的なメディアプランニングを実現します。

各社の役割

この実証実験において、各社はそれぞれ重要な役割を果たします。LIVE BOARDはDOOHの広告販売に関する知見を提供し、ドコモは大規模データを使用した各種指標の算出を行います。電通アドギアと電通は効果測定に関する専門知識を提供し、全体として力を合わせています。

本実証実験の結果は、今後のOOH広告市場において重要なブレークスルーとなることが期待されており、広告主にとって新たな価値をもたらすことでしょう。