深海の謎を解き明かす新たな国際共同研究プロジェクト始動
2026年1月20日、ロンドンで日本財団が発表した国際共同研究プロジェクト「ドリー=DORI」が、深海にひそむ未知の酸素「暗黒酸素」の解明に向けた新たなスタートを切りました。このプロジェクトは、日本財団と英国のスコットランド海洋科学協会、米国のノースウェスタン大学とボストン大学が協力し、深海の新しい発見を目指しています。
「暗黒酸素」とは?
近年、深海底で観測された「暗黒酸素」という名称の酸素は、その存在をめぐって科学界で激しい議論を呼んでいます。これまで「暗黒酸素」の存在を否定する研究もみられ、様々な見解が交錯しています。このプロジェクトは、そんな対立を乗り越え、科学的にその実態を解明することを目的としています。
日本財団の常務理事である海野光行氏は、「深海は人類にとって未知の領域です。その可能性を責任ある形で活用し、未来に豊かな海を残すために研究が必要」と語ります。もし「暗黒酸素」の存在が確認されれば、深海の生態系におけるその重要性も明らかになり、新たな理解が得られることでしょう。
新たな観測技術を導入
日本財団は、スコットランド海洋科学協会に対し最先端の観測装置の開発を依頼し、3年半以内に研究結果をまとめた成果を発表する予定です。この装置は地球の1,400倍の圧力にも耐えられる「ランダー」という実験装置で、春にはクラリオン・クリッパートン海域での調査を実施する予定です。これにより、深海底の水質や土壌を詳しく解析し、「暗黒酸素」の生成メカニズムを明らかにしていくことが期待されています。
米国のノースウェスタン大学とボストン大学も新たにプロジェクトに参加し、深海底の鉱物や微生物の研究を通じて新しい発見をもたらす可能性があります。これにより、研究の幅が広がり、より包括的な視点でのアプローチが可能になります。
グローバルな科学の挑戦
このプロジェクトは単なる国内研究にとどまらず、国際的な連携により進展が期待されています。スコットランド海洋科学協会のアンドリュー・スウィートマン教授は、複数の海域で「暗黒酸素」が特定される可能性があることを指摘し、この研究が生命の起源を探るための重要な手がかりを提供することを期待しています。
自然界の未知の部分を解明することは、我々にとって将来に向けた大きな財産となるでしょう。深海の秘密を解き明かすことで、私たちの地球や生命に対する理解が一層深まることが期待されています。今後の研究成果が注目されます。
日本財団の役割と影響
1962年に設立された日本財団は、広範囲な社会貢献活動を行ってきました。特に、海洋問題への取り組みは重要であり、科学研究に対する支援を通じて、未来へ向けた持続可能な社会の実現に寄与しています。今回の研究プロジェクトもその一環として位置づけられ、海の保全と人類の発展に向けた責任ある取り組みが進められています。
詳細は、日本財団の公式サイトで公開されています。