電通総研が新たに開始する脱炭素支援ツール
株式会社電通総研(東京・港区)は、自治体がゼロカーボンシティの実現を図るための支援ツール「脱炭素デジタルダッシュボード」を開発しました。このサービスは2030年に供用開始される予定で、自治体の地球温暖化対策計画の策定をサポートします。温室効果ガスの現況推計から施策効果の試算、さらには未来予測の可視化を行うことができ、これにより各地域の特性に合わせた効果的な戦略の立案が可能になります。
背景と取り組みの狙い
現在、国内においては1000以上の自治体が、2050年までに二酸化炭素の実質排出ゼロを目指す「ゼロカーボンシティ」のビジョンを掲げています。ただし、各自治体にとって、このビジョンを実現するためには、地域特性に応じた温室効果ガスの削減施策を検討し、実現可能な計画を策定することが非常に難しいのが現実です。そこで電通総研は、これまでの豊富な経験と知識を基に「脱炭素デジタルダッシュボード」を開発し、これを通じてさまざまなシナリオの比較・検討を行い、効果的な施策を導き出します。
ダッシュボードの特長
「脱炭素デジタルダッシュボード」は、部門ごとのエネルギー消費量やCO2排出量を視覚化し、さらに将来のシナリオを複数比較できる機能を備えています。
1.
現況推計機能: エネルギー統計データを基に、地域ごとの実情に即した二酸化炭素排出量とエネルギー消費量の現況を把握できます。
2.
将来推計シミュレーション: 複数の省エネ・再生可能エネルギー施策を考慮した将来の推計を行うことで、地域特性に最適なシナリオを模索します。
3.
深堀分析機能: 集計データを詳細に分析できるようなダッシュボードを構築、自治体職員も簡単にデータの修正や調整が行えます。
実証プロジェクトの意義
特に静岡県藤枝市では「令和5年度 温室効果ガス排出量算定調査業務委託」にて、本ツールの現況推計機能を実証しました。この実証プロジェクトを通じて、地域特有の排出量やエネルギー消費量の特徴を分析し、得た知見を活用したさらなる改善策を提案する予定です。
今後の展望
電通総研は今後も「脱炭素デジタルダッシュボード」を中心とした脱炭素ソリューションの拡充に努め、自治体が持続可能な社会の実現に向けた取り組みを強化するために支援を続けます。人とテクノロジーの共同で、これからの社会をより良いものにするための革新を進めていく所存です。詳しくは、
電通総研の公式ウェブサイトを訪問。