あめの俵屋、米飴残渣を活かした新商品開発
あめの俵屋が進める新たな取り組みが注目されています。彼らは「じろあめ」を製造する際に生じる米飴残渣を利用したグミの開発に、海外の大学や企業と連携して取り組んでいます。このプロジェクトは、北國銀行産業振興財団の助成を受けており、さまざまな環境への影響を考慮したSDGsへの貢献を目指しています。
米飴残渣とレジスタントプロテインの活用
俵屋が製造する「じろあめ」は、米と大麦から作られ、無添加・無糖の自然な甘味を提供する人気の高い商品です。しかし、この製造過程で生じた米飴残渣は、これまで廃棄処理されていたため、貴重なリソースが無駄にされていました。最近の研究によれば、この米飴残渣には「レジスタントプロテイン」と呼ばれる難消化性タンパク質が豊富に含まれていることが判明しています。
レジスタントプロテインは腸内環境を整え、皮膚の水分保持機能を向上させる効果が期待できるため、健康を意識する現代人にとって非常に魅力的です。また、免疫力を高める食事の一環として新型コロナウイルスやインフルエンザの予防にも寄与する可能性があります。
産学連携による商品化
俵屋は、この米飴残渣を活用した新商品の開発を進めるため、富士化学工業株式会社と連携しています。富士化学工業は、グミの試作品を開発し、最終商品化に向けた調整を行います。最終的には、俵屋が選定した製品が実際に生産され、COREZOや俵屋の店舗で販売される予定です。
2024年11月21日、北國銀行産業振興財団からの助成を受けたことが報告され、商品化は本格的に進展中です。これにより、俵屋の伝統的な製品が新たな形に生まれ変わり、持続可能な社会への貢献が期待されています。
SDGsへの寄与と食品ロス削減
新商品の開発は、SDGsの「12 つくる責任 つかう責任」に直結しています。「ターゲット12.3」は2030年までに食品ロスを半減することを目指しており、俵屋の取り組みはこの目標に対するモデルケースとなることでしょう。廃棄物を資源として活用し、消費者の健康にも寄与するこのプロジェクトは、食品業界においても大きな意義を持つものです。
伝統と革新の融合
あめの俵屋は、伝統的な手法で作られた「じろあめ」を大切にしつつ、新しい時代にあった商品開発に挑んでいます。この取り組みは、地域産業の振興や活性化にも寄与することが期待されており、今後の展開に目が離せません。
最後に、あめの俵屋が織り成す新たな物語に、ぜひご注目ください。