慶應義塾大学医学部皮膚科学教室が進行期乳房外パジェット病患者を対象に、新たな内分泌療法に関する医師主導の治験を2024年8月から開始します。この試験は、多施設共同の第II相試験であり、国内の7つの医療機関で行われます。参加施設には、新潟県立がんセンター新潟病院や国立がん研究センター中央病院、静岡県立静岡がんセンター、名古屋市立大学病院、兵庫県立がんセンター、九州がんセンター、そして慶應義塾大学病院が含まれています。
乳房外パジェット病は、外陰部などの皮膚に現れる腺癌で、肺などへの転移が見られる場合の標準治療が確立されていません。このため新しい治療法の登場が急務とされています。慶應義塾の研究グループは、先行する基礎研究において、アンドロゲン受容体阻害薬であるダロルタミドが乳房外パジェット病の癌細胞の増殖を抑制する効果を示しました。
この研究の成果を基に、抗アンドロゲン療法を用いる臨床試験が計画されており、対象となるのは乳房外パジェット病患者です。この治験は、抗アンドロゲン療法を利用した初めての国際的な臨床試験となり、その有効性と安全性を確認することが期待されています。
本治験は、日本医療研究開発機構(AMED)が実施する「臨床研究・治験推進研究事業」の一環として行われ、今後の乳房外パジェット病に対する治療に大きな進展が見込まれます。乳房外パジェット病の患者に新たな治療の選択肢を提供することが目的ですが、解析が進むことで、より多くの患者に恩恵をもたらすことができるようになる可能性があります。
このプロジェクトは、患者の生活の質を向上させるだけでなく、医療の進歩に寄与することが期待されています。治験の結果次第では、今後の治療標準に影響を与えることも考えられ、医療関係者の間で注目が集まることでしょう。治験参加を希望する患者にとっては、適切な医療情報が重要であり、医療機関からの適切なサポートが求められます。