藻類で石油生成
2024-10-02 02:39:03

大阪工業大学の研究者が微細藻類で石油生成を目指す新技術を開発

大阪工業大学の河村耕史准教授が進める画期的な研究は、「ボツリオコッカス」という単細胞の緑色藻類に着目したものです。この藻類は、特定の培養条件の下で、体重の50%を超える油を生成する能力を持っていますが、増殖スピードが遅いという課題があります。航空業界は、急速に進展する気候変動対策に対して持続可能な航空燃料(SAF)の利用を求められており、ボツリオコッカスのような再生可能な資源からの液体燃料への需要が高まっています。

河村准教授は、ボツリオコッカスの野生株を湖沼から採取し、さまざまな株の増殖速度や油の生産速度を比較して、より優れた特性を持つ株を見つけ出す作業をしています。特に2021年には、増殖速度が世界最速とされる株を特定し、成果を論文として発表しました。この発見はボツリオコッカスのさらなる研究への道を開くものとなりました。

現在、河村准教授の研究チームは、各株のゲノムを解読し、突然変異による新しい株の作成を試みています。これにより、ボツリオコッカスがどのように油を合成し、分泌しているのか、その詳細なメカニズムを明らかにすることを目指しています。遺伝子解析を通じて、石油生成の効率を向上させる手段を探索しているのです。

ボツリオコッカスは、特性を持った株を見つけることで、持続可能なエネルギー源として大きな可能性を秘めているといえるでしょう。今後の展開に注視したいところです。このような研究は、現代社会が直面するエネルギー問題の解決策の一部として大いに期待されています。

大阪工業大学の「研究力」連載では、こうした先端の研究成果を平易な文体で解説しており、専門知識のない一般の人々にも理解しやすい形で情報提供を行っています。毎月、同大学の200研究室から1人の教員が紹介され、最新の研究の舞台裏やその意義をお伝えしています。

このように、ボツリオコッカスの研究は、科学技術の発展だけでなく、持続可能な未来を切り開く可能性を秘めています。今後も大阪工業大学の研究から目が離せません。


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