医療業界のデジタル改革:正幸会病院の成功事例
近年、日本に迫る「2025年問題」が懸念されています。この問題は、高齢者の増加に伴い医療と介護の需要が急増することを指し、特に医療業界においては人手不足が深刻です。そんな中、医療法人正幸会の正幸会病院は、楽天モバイルの協力を得て、DX(デジタルトランスフォーメーション)を積極的に推進し、医療現場の業務効率化とサービス向上を実現しています。
高齢化社会における医療の変革
日本は2040年までに女性の平均寿命が89.71歳、男性は83.56歳に達すると予想されており、ますます医療サービスの充実が求められています。この背景には、団塊世代の高齢化があり、「2025年問題」が具体化することで、医療・介護現場のニーズが一段と高まるのです。
正幸会病院は、こうしたニーズに対応するため、従来の紙やPHS(携帯型電話システム)によるアナログ業務から、スマホを活用したハイテクな業務体制に移行しました。
正幸会病院のDX取り組み
1. セキュリティと業務の効率化を両立
正幸会病院では日本初となるクラウド・ネイティブ型電子カルテを導入しました。このシステムは、スタッフがどこからでも情報にアクセスできるため、業務の属人化を防ぎ、業務効率を大幅に向上させることができます。特に二段階認証を用いることで、セキュリティの面でも強化されています。
2. リアルタイムな情報共有
院内連絡を革新したのは、多機能トランシーバーアプリ「Buddycom」の導入です。このアプリにより、スタッフは一括して情報を共有し、迅速な連携が可能になりました。これにより、患者服務の質も向上し、待機時間の短縮に寄与しています。
3. クラウドPBXによる働き方改革
PHSが院内のみに制限された使用から脱却し、クラウドPBXを導入したことで、外出先でも院内通話が可能になりました。これにより、業務の進行が妨げられることなく、患者様からの電話も逃すことが少なくなり、サービスレベルが向上しました。
楽天モバイルの貢献
楽天モバイルは、正幸会病院が進めるDXをさまざまな面で支えています。具体的には、
- - Buddycom: スマホ一つで簡単に使用でき、安定した通話が可能になることで、医療従事者のコミュニケーションを円滑にします。
- - TramOneCloud: 外出先でもスムーズに業務を行うための通話サービスを提供し、設備コストを抑えまるでオフィスにいるような感覚で働ける環境を築いています。
- - LINE WORKS: スマホやタブレット、パソコンでのタスク管理や情報共有が可能になる事で、役立つ情報が瞬時に流通します。
現場からの声
正幸会病院の院長、東 大里氏は「医療とITの融合が、医療技術のさらなる向上につながると信じている」と語り、今後のデジタル化の継続を強調しています。また、外来看護師主任の宮城 泉氏は「情報共有が迅速になったことで、業務の効率化が実現し、待機時間の短縮が実感できている」との感想を述べました。
未来の医療業界に向けて
このように、正幸会病院の取り組みは、医療業界のDXの一つの成功モデルとなっています。楽天モバイルとのパートナーシップを通じて、今後ますます多くの医療機関がこのようなデジタル革新に取り組むことが期待されます。
公式サイトリンク
今後も日本の医療分野でのIT活用が進み、より質の高い医療サービスが提供されることを願っています。