光で切断できる繊維
2024-09-10 20:59:11

岐阜大学の研究チームが開発した光で切断可能なマイクロ繊維とは

岐阜大学が開発した光で切断可能なマイクロ繊維



岐阜大学の研究チームが、セルロースの基本単位である二糖を用いて、光で切断が可能なマイクロ繊維を開発した。この革新的な研究成果は、今後の材料開発において注目されている。具体的には、水中で自己集合する二糖誘導体を設計・合成し、その分子集合の様子を原子レベルで解明した。

研究のポイント


研究グループは、自己集合する二糖誘導体を形成するマイクロ繊維を開発し、光照射により切断できることを実証した。マイクロ繊維は、直径が数ミクロンと非常に細く、髪の毛の約十分の一の太さしかない。この特性は、材料としての新たな用途を生み出す可能性を秘めている。特に注目すべきは、得られた繊維の集合様式が、原子レベルで解明された点である。

研究背景


セルロースは、地球上で最も豊富に存在する炭水化物であり、植物体の約三分の一がセルロースで構成されている。このようなセルロースを含む糖鎖は、タンパク質や核酸と同様に重要な生体分子であり、その多様な構造が特徴的である。グルコースに基づく二糖であるセロビオースは、その構造の複雑さから多様な機能を持つ可能性がある。

実験の手法


研究者たちは、セロビオースを母核とした新しい分子、cellobiose(oNB)2-pNBを設計した。この分子は水中で自己集合し、マイクロ繊維を形成する。研究では、加熱後に冷却速度を操作することで、異なるマイクロ構造体が得られることを発見。特に、ゆっくり冷却すると、長さ100μm以上の繊維が形成されることが確認された。

光照射による切断


得られたマイクロ繊維は、紫外線(UV)光を照射することで切断され、分子の集合力が低下することが判明。さらに、光を当てる場所を制限することで、特定の位置での切断が可能であることも実証された。この特性は、応用の幅を広げるものと期待されている。

今後の展望


開発されたマイクロ繊維は、非常に細く、光照射によって切断が可能という新しい特性を持つ。この特性を活かし、今後の研究と材料の用途開発により、さまざまな分野での応用が期待される。しかし、この研究はまだ始まったばかりであり、さらなる調査と実用化には時間がかかるかもしれない。

研究成果


この研究成果は、「Communications Materials」という学術雑誌に発表され、アカデミアや産業界から注目が集まっている。研究は、岐阜大学の他にも、名古屋大学や山形大学、株式会社リガクなどとの共同で進められ、各機関の専門知識を活かした成果となった。

まとめ


岐阜大学の研究によって示されたこの光で切断可能なマイクロ繊維は、新しい材料の開発に期待を抱かせるものである。今後の研究結果が待たれる中、さまざまな分野への応用が楽しみである。


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