アレルギーワクチン試験
2025-09-08 17:01:58

花粉症対策の新たな希望:アレルギーワクチンの第Ⅰ相臨床試験開始

花粉症治療の新たな希望



株式会社ファンペップ(大阪府茨木市)が、花粉症を対象としたアレルギーワクチンFPP004Xの第Ⅰ相臨床試験を開始しました。この試験において、最終的に93名の被験者登録が完了したことが発表され、今後の治療法として大きな期待を寄せられています。

臨床試験の概要



今回の臨床試験は、健康な成人及び季節性アレルギー性鼻炎を抱える患者を対象にしており、FPP004Xがもたらす安全性や免疫原性を調査します。試験は二つのパートに分かれており、パート1では低用量と高用量のコホートに分かれて、筋肉内へFPP004Xまたはプラセボを投与。パート2では、人工的に作られた花粉曝露室でスギ花粉に対する反応を確認します。

花粉症は日本国内にて非常に一般的なアレルギー疾患で、特にスギ花粉症の患者数が増加していることが調査からも明らかです。2019年のデータによると、スギ花粉症の有病率は38.8%に達し、10年前と比べて10%ほど上昇しています。この背景には、労働力の喪失や医療負担の増加といった問題があります。

FPP004Xの期待される効果



体誘導ペプチドFPP004Xは、体内でIgE抗体の産生を促進し、アレルギー反応を抑制することが期待されています。IgEは異物に反応してアレルギー症状を引き起こす重要な役割を担っていますが、FPP004Xはこの抗体を持続的に生成させることで、アレルギー症状を緩和する可能性があるのです。特に、花粉シーズン前に投与することで、季節を通して症状をコントロールできる、新しい治療選択肢となることが目指されています。

今後の展望



また、FPP004Xに関しては、2024年3月に塩野義製薬株式会社との間でオプション契約も締結され、全世界での研究開発と商業化権において協力関係が築かれる見込みです。

花粉症は「国民病」とも言われ、多くの人々にとっての社会的な問題です。この臨床試験の成果が出ることで、花粉症の治療に新たな光が差し込むことが期待されます。今後の動向に注目が集まります。


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会社情報

会社名
株式会社ファンペップ
住所
東京都中央区日本橋本町3-11-5日本橋ライフサイエンスビルディング2 503号室
電話番号
03-5315-4200

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