2021年11月27日から28日に開催された「日本計算機統計学会第35回シンポジウム」と「第26回日本薬剤疫学会学術総会」において、慶應義塾大学と理化学研究所との共同研究の成果として、新型コロナウイルスCOVID-19の重症化予測モデルが発表されました。
この研究は、当社ライフイノベーションLabが2020年11月より始めたもので、実際の診療報酬データや健診データを匿名化して利用し、機械学習を用いて数分で重症化リスクを予測する手法を開発しました。
利用されたデータには、病院での診断内容や施された処置に関する情報が含まれており、これを基に新たな重症化因子の特定が行われました。
今回の発表では、基本的なパーソナルデータ(性別や年代)に加え、病歴やCCIスコア(チャールソン併存疾患指数)を考慮することで、特に関心の高い重症化リスクの予測が実現しました。このモデルにより、年齢や病歴が重症化リスクに与える影響が再確認されたほか、「慢性疾患の組み合わせ」や、「最近数か月で病院に行っていない」という健康リスクを抱える人々が重症化しやすいことが新たに明らかになりました。
この研究結果は、論文誌への投稿予定であり、さらなる詳細が近々発表されると期待されています。共同研究を進める中で、慶應義塾大学・理化学研究所双方の専門家が参画しており、医療の現場における実用的なアプローチを目指しています。
慶應義塾大学の漆原尚巳教授は、医薬品の安全かつ有効な使用を確立するための研究に取り組んでおり、星野崇宏教授は行動経済学やマーケティングの観点からデータサイエンスの実践的応用を推進しています。
この研究は、COVID-19患者に対する理解を深めるとともに、今後の医療への実装が期待されます。企業と学術機関の連携によるこのような取り組みは、コロナ禍における医療技術の進展と、社会全体への貢献につながることが見込まれています。
さらなる情報や研究成果は公式サイトで確認できます。理化学研究所の公式サイトは
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