新たなシミュレーションツールの登場
2023年3月1日、J-クレジットの運営委員会は新たに水稲栽培における中干し期間の延長に関する方法論を承認しました。この新しい方法論に基づき、Green Carbon株式会社はGHG削減量やJ-クレジットの販売金額を簡単に計測できるシミュレーションツールを開発しました。このツールは、特に水田を持つ地域や農家にとって有用なものです。
シミュレーションツールの特徴
このツールでは、地域や水田の面積、排水性、稲わらのすきこみ割合、堆肥使用量といった5項目を入力することで、排出削減量やJ-クレジットとしての市場価値が明示されます。これにより、利用者は具体的な数値をもとに効率的な農業経営ができるようになります。
日本の水稲とメタンガス排出
日本におけるGHG排出量はおおよそ12.4億トンで、農林水産業が占める割合は約5,001万トンです。その中でも稲作によるメタンガスは1,356万トンとなっており、農林水産業全体の30%を占めています。国は2030年までのゼロエミッションを目指しており、その一環として水田の水管理によるメタンガス削減が重要視されています。
経済的価値と将来性
日本の水田面積は236万6000ヘクタールであり、特に平地の水田では中干しが可能です。実際には、そのうち約108万3000ヘクタールがこの方法論を適用できる条件にあります。これにより、最大で約542.5万トンのCO2削減が可能であり、J-クレジットとして換算すると約270億7500万円の経済的価値が見込まれています。このように、農業分野における環境対策は、収益にもつながる可能性を秘めています。
市場への影響と今後の展開
Green Carbonはこのシミュレーションツールを通じて、日本全国の水田の持つ潜在能力を最大限に引き出し、持続可能な農業の実現に向けた一歩を踏み出します。今後、このツールを広く普及させ、さまざまな自治体や農家との連携を図っていく予定です。GHG削減を意識した農業経営が、地域社会や環境にとってもプラスとなることが期待されています。
お問い合わせ
持っている水田のメタンガス削減量やJ-クレジットの創出可能性に興味がある方は、Green Carbonのウェブサイトからお問い合わせフォームをご利用ください。自らの農業経営をより良くするための一環として、このシミュレーションツールを活用してみてはいかがでしょうか。
公式サイト:
Green Carbon
会社概要
Green Carbon株式会社は、東京都港区に本社を置く企業で、主に炭素固定種苗販売やCO2削減関連事業に注力しています。持続可能な社会を目指し、多岐にわたる事業を展開しています。