岡山大学が新設した寄付講座「代謝免疫制御学講座」
岡山大学は2025年1月より、グリーンコア株式会社の寄付を受けて「代謝免疫制御学講座」を設置しました。この講座は、学術研究院医歯薬学域の鵜殿平一郎教授が兼任し、がん研究を中心とした様々な取り組みが行われる予定です。
寄付講座の目的と研究内容
この「代謝免疫制御学講座」の主な目的は、がん患者への負担を軽減しながら、効果的な治療法を開発することです。具体的には、以下の三つの研究領域で活動が行われます。
1.
がん細胞の耐性誘導機構の解明
研究チームは、がん細胞が持つ獲得耐性の分子メカニズムを探ることで、治療の壁に挑みます。これにより、がんの進行を阻害する新たな手がかりを見出すことを目指します。
2.
低分子化合物の探索・同定
獲得耐性を打破するための低分子化合物を既存のものや新たに合成したものから探索し、同定します。この研究は、特にがん治療における革新に寄与することが期待されています。
3.
実臨床への応用
研究で同定した化合物を実際の医療現場に適用し、創薬や医師主導での治験を通じて、実効性を検証します。これにより、がん患者の治療選択肢を広げることにも貢献したいと考えています。
がん治療の未来を切り開く
この寄付講座の設立は、岡山大学のがん研究を一層強化するものであり、最終的にはがんの完全制圧を目指しています。がん治療は患者にとって身体的、経済的な負担が大きいものですが、岡山大学ではその負担を軽減するための研究開発を進めていきます。
鵜殿教授は「がん患者を治すことを第一に考え、地域社会にも貢献できる研究を推進していきたい」と語っています。また、この講座に期待される成果について、学長の那須保友氏も「地域の特性を生かした特色ある研究で、岡山大学がさらなるイノベーションを生むことを願っています」と述べています。
岡山大学について
岡山大学は、地域中核の特色ある研究大学として、持続可能な開発目標(SDGs)を積極的に支援しており、昨年には政府の「ジャパンSDGsアワード」の特別賞を受賞しました。これからも地域と共に成長し、世界に通用する研究を追求していく所存です。
寄付講座「代謝免疫制御学講座」の詳細については、岡山大学の公式サイトを通じて確認できます。今後、岡山大学がどのような研究成果を挙げ、がん治療の革新に寄与していくのか、目が離せません。